GESHICOMのブログ

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この監督の作品は本当に不思議だ。 

ストーリー展開の中で、大きなドラマは滅多に

起きないにも関わらず、3時間超えの長尺が

全く苦にならないのだから。

淡々とした日常会話のシーンに観客を引き込む

力が半端なく強いのだ。

それは、もちろん会話の内容の深さや、役者の

演技のリアルさによる部分は大きいけれど、

それだけでは無い、何か濱口監督に特有の演出

上の魔法がある気がする。

言わば濱口マジック!?

 

介護施設や末期がん患者の現実を真っ向から、

この上なくリアルに描きながら、しっかりと希

望の余韻を残すところなどホント素晴らしい。

幾つかのシーンは爆発的にエモかったけれど、

背景に特にドラマチックな演出は無い。

 

ただ、要所要所で差し込まれる、長塚京三演じ

る一人劇の意図や、いかにも意味深な自閉症の

少年の役割などがいまいち理解できず、それ故

消化不良な部分が少なからずあった事も白状し

ておこう。

でも、理解できないのも濱口作品の魅力の内で

しょう。

 

85点

 

 

 

 

 

 

 

 

「ボヘミアン・ラプソディ」が上手くいった

からって、じゃあマイケルも!とはいかない。

主役の個性が全然違うし、そもそも個人的には

前者もそれほど好きではない。

 

マイケルの映画といえば「THIS IS IT」が思い

のほか良かったけれど、それはあくまで本人

が登場するドキュメンタリーだったからこそ

で、実写ドラマでマイケル???

そっくりさんに演じさせてマイケル???

「マイケル」の予告を見たとき、絶対に作る

べきではなかったとまずは思った。

惨事になるに決まっているから。

 

ところが!

とてもいい映画でした。

これ以上上手にマイケルを演じられる役者は

多分世の中にいないでしょう。

素晴らしいキャスティングです。

ダイナミックなコンサートシーンの臨場感は

流石としか言い様がないレベルです。

が、それでもやはりマイケルではないのです。

血が騒ぐけれど沸騰はしない!

沸騰しなければマイケルでは無い!

そういうこと。

 

アルバム「スリラー」のPVを撮影するシーン

には悶絶しかけましたが、惜しくも悶絶には

届かず、私にはそこがピークでした。

敢えて言うと、マイケル信者は観なくていいの

では?

特に新発見もサプライズもありませんから。

 

80点

 

 

 

 

 

 

 

 

安部公房は確か中学生の頃に背伸びして

『他人の顔』を読んで以来、約50年ぶり。

彼の作品には、内容が哲学的で難解、世界的な

評価は高いが、凡人の理解を超える、そんな

イメージが合ったけれど、本作は凡人が読んで

も面白い!

 

簡単に言うと、広大な砂地に埋もれた廃屋に

閉じ込められた男の脱出劇。

まずそこには「大脱走」や「パピヨン」など、

往年の名作映画を彷彿させる脱出劇の面白さ

がある。

さらに、突如四方を高い砂壁に囲まれた廃屋に

閉じ込められた男と、以前よりそこに住み着い

ているワケあり女との奇妙な密室劇。

この密室劇がまたエグい(エロい)!

長い月日の中で、徐々に関係性に変化が現れる

男女。徐々に暴かれていく人間の本性。

そこにもゾクゾクするような面白さがある。

 

極め付けは、主人公を廃屋に閉じ込めた当事者

であり、世間から隔絶された因習に生きる部落

民達の、カルト映画「ミッドサマー」を彷彿と

させる不気味さ。

 

圧倒的な深さと面白さが共存する傑作!

もっともっと安部公房にハマりたい。

 

90点