GESHICOMのブログ

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一瞬を切り取った写真だけでもずっ~と飽きず

に見ていられる。

言葉も説明も何もなくても、そこにはただ美し

いだけではない、何か強く心を惹き付ける魅力

がある。

 

パリコレのランウエィを、脇に長身の外国人モ

デルを従え颯爽と歩く山口小夜子の美しさと格

好良さは、もう筆舌に尽くし難い!

神秘的とか神々しいとか、山口小夜子はどこか

人間離れした“神”の領域に近づいた数少ない人

なのかもしれない。

 

この映画は、山本寛斎、高田賢三始め、彼女と

深く関わった各方面のトップアーチストや、山

口小夜子本人のインタビューも随所に盛込まれ

ており、神秘のベールに包まれた彼女の人とな

りを知る上でとても貴重な資料となっている。

 

ただ、カメラと山口小夜子本人との間に、詰め

切れない距離を感じた。

上っ面とは言わないまでも、掘り下げ方が物足

りない。

もっともっと核心に迫って欲しかった。

 

結局、鑑賞後に山口小夜子の神秘性は更に増し

てしっまった。

それこそ監督の狙いだったのか!?

多分そんなことは無いと思う。

 

85点(ほぼ、山口小夜子の魅力)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

購入して十数年を経てようやく読破。

文庫本の600頁を超える分厚い見てくれと、

物語の冒頭でいきなり長々と続く京極堂の

心霊現象論(?)の難解さや理屈っぽさに

辟易して、過去何度も挫折してきた。

 

が、上述の冒頭部分を忍耐で乗り越えると、

後は驚くほど頁を捲る手が止まらず、今回は

最後まで、文字通り一気読みしてしまった。

 

実に面白い!

心霊現象の荒唐無稽さと、それらの現象を科

学に基づく理屈で説明しようとする知的さが

程良いバランスで共存していて、否応なく好

奇心が掻き立てられた。

 

全体的に猟奇的なホラーの雰囲気を漂わせな

がら、謎解きミステリーの醍醐味もたっぷり

と楽しめ、かつ根底には濃密な人間ドラマが

息づいており、重層的な楽しみ方ができるの

も素晴らしい。

 

主要な登場人物のキャラクターがそれぞれ際

だって魅力的なのもこの物語を面白くしてい

る重要な要素だし、そもそもキャラクターを

魅力的に感じさせる軽妙な文章がとてもいい。

 

ただ、好みの問題とも思うけれど、京極堂の

博学さを印象づけるためと思われる専門知識

の異常に長い描写は、一々理解にかなり忍耐

を要する。てか、少なからず理解不能。

まぁそれこそ、このシリーズの売りなんだろ

うけれど...。

 

85点

 

 

 

 

 

 

 

 

 

敢えて時代設定を1970年にしたのは、

現代では嘘っぽく見えてしまうからだろうか?

“人情”、“やさしさ”、“思いやり”といった、

照れくさくて口にできないようなテーマを

度ストレートに扱いながら、ありがちな

押しつけがましさやクドさは極力抑えられ、

程良くじんわりと心に沁みた。

 

とは言っても、予告編から想像された内容を

超える意外性や驚きはほとんど無く、そうい

う意味では、想定内の出来映えとも言える。

ただし、主役を演じた男優と助演の女優の演

技以外は。

彼らの演技は実に素晴らしかった。

 

この二人の内面から滲み出るような“人間味”

が、この映画の魅力のほぼ全て!

生きるってホント大変だけど、

でもそう悪くもない!

そんなことに気付かせてくれる。


ときにはこういう映画が世の中には必要だ。

 

85点