で、何がいいたいの?といわれる文章の見本 | 作家養成塾『遊房』の公式ブログ 「めざせ!公募小説新人賞」門座右京監修

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こんな記事がありました。

顔や足が美しく、セクシーな女性求む」40歳の彼女募集広告に母激怒。
(ナリナリドットコム - 10月29日 07:24)

出会いは欲しい、だけどネットに出会いを求めるのはどうも……。そう感じた米国のある男性は、詳しい自分の情報とケータイ番号を書いた“彼女募集広告”を作り、ニューヨーク・マンハッタンにある数か所の公衆電話に貼り出した。古典的かつ大胆な方法で彼女探しを始めた男性だったが、この行動を知った母親は激怒したという。

米紙ニューヨーク・ポストによると、この男性は貨物運送会社に勤める40歳のマリク・ターナーさん。映画鑑賞やナイトクラブなどを好み、テレビゲームや地下鉄に乗ることが趣味だという独身のターナーさんは現在彼女募集中だが、なかなか相手が見つからずにいた。自分に合う女性はいないか、ときおりナイトクラブに出かけては女性と話をしたり、一緒に踊ったりしながら積極的に仲良くなろうと頑張ってはいるものの、女性のケータイ番号ゲットへの道のりは険しいらしい。

どうしたら彼女が見つけられるのか、ターナーさんは仕事の同僚にもいろいろと相談。すると同僚からは、ネットの出会い系サイトにはいわゆる“サクラ”の女性がいるから気をつけろと警告されたそうだ。そこでネットを使わない方法を考えたターナーさんは、音楽スタジオでバンドメンバーを募集する際に作られるような「彼女求む」広告を制作。好きな色や動物、車や球団など、かなり細かいところまで自分の好みをPRした力作だ。

ただ、細かな自分の好みと同様、求める女性のキャラクターについても条件が多い。例えば、ターナーさんが求める理想の女性像は「21歳から45歳までのブロンドか赤い髪をした米国、カナダ、ラテンアメリカ、オーストラリア、イタリア、スウェーデン人、もしくはネイティブアメリカンの白人かヒスパニック系」と具体的に限定している。さらに、顔が美しく足がきれいでセクシー、爪が長い、タバコを吸わず社交的にお酒が飲めるなど、容姿についても注文が多いほか、デート時の服装まで指示。真剣に彼女が欲しいという割には、かなりの“うるさ型”だ。

そんな40歳の息子を抱える親からしてみれば、そろそろ身を固めて欲しいと思うところだろうが、母親は彼のこの行動を知ると「マリクは何してるの、あなた何してるの!」と、激怒したという。

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さて、いかがでしょう。

まず、なぜ母親が怒ったかも書いていないですね。
つまり、表題にある結論がないことを、以下にも訳知り顔で書く人が多くなっているのも、最近の国語力低下のひとつです。

この記事が誰に向けて書かれたものか詮索する気もありませんが,でも、まあ、作家志望を気取る連中は、こういう文章を書いて、次文は上手だと思っている手合いが多いんですね。

いつもいうように、文章というのは、AからBに移動する、プロセスをきちんと書くということなんですね。

この場合だと、息子がステッカー広告を作って張り出した。
それを知った母親が怒った。
ということはわかるけれど、何のために怒ったのということが、まったく説明されていないわけですね。

たとえば怒った理由が、「お前、注文が多すぎるから、もう少し、間口を広げないと、応募者が少なくなるじゃないか」なんていう怒り方なら、それこそイッツジョークの世界ですよね。

AからBに至る、プロセスを書かないでは、お話しどころか、文章としても成立しないことを知るべきでしょう。