今週のひとり言は「怒る方」です。
どこの現場でも認知症の
進行に伴い、怒りやすくなる方や
怒りやすくなった方はいらっしゃると
思います。
いす男の現場で印象的なのは
Aさんという方です。
もう10年以上利用されている
ベテランで、いす男のことも
名前で呼んでくださいます。
お茶がお好きで、おかわりを
持っていくと喜んで飲まれますが、
認知症の進行とともに最近では
お茶を勧めても「いらない!」
言われたり、声をかけても
無視をされるようになりました。
いす男には厳しく、近くを通るだけで
「お前なんかあっち行け」と言われたり、
叩いてきたり、お茶をかけたりします。
また同じテーブルの方に
「あいつにものを盗られた」
「意地悪をされた」と話されたりも
します。
そんなAさんはいす男が気になるようで
どこのテーブルに座っていても
逐一、いす男の方を見て、いす男の
行動を確認しています。
ほかの方としゃべっていると
「そんな話は面白くない」と遠くの
テーブルから「突っ込み」を
入れられます。
いす男は認知症が進行してもなお、
いす男のことが「特別な存在」なのだと
勝手に理解しています。
その証拠にどんなにいす男に
怒っていても他の職員が声をかけると
よそよそしくなり、怒らなくなります。
いす男にしか怒らないことや
他の職員の前では「他人行儀になる」
のはやはりいす男との関係が
特別だからだと思います。
朝、お会いしたときは以前のように
優しく、「あんたに会えて本当にうれしい」
と言ってくださいますが、だんだん
表情が険しくなり、名指しでいす男を
怒り始めます。
それはほかの利用者さんが
「引く」ほど激しいときもあり、
皆さん「大変だねぇ」とおっしゃいます。
いす男はそんなことは全く気にして
いませんし、特別の存在だと思えば、
逆にうれしく思えます。
ただ、その方が興奮されることや
いす男に怒っていることで、ほかの
利用者さんとの間に距離ができたら
まずいと考えます。
だから表情の硬いときには
見守ることが多く、周りに人が少なく、
表情が柔らかくなっていそうな
タイミングを見て声をかけたりします。
たまにですが、話しかけると表情が
やさしくなり、話が盛り上がることが
あります。
そんな時は本当にうれしいです。
ただ認知症がさらに進んだこともあり、
最近では他の職員にも起こるように
なったことやいす男の名前を呼ばなく
なりました・・・。