俺の小学生時代には、ハナクソをほじって食べてしまう女の子がいた。

それが成績優秀で足も速い、いわゆる「カッコイイ女の子」だった。


読書の時間になり集中してくるとほじり出していた。

かなりダイナミックにほじっていた。そして食う。

ほじっては食い、ほじっては食う。


周りで男子が大騒ぎしていても、わき目も振らずほじっていた。

鼻が大暴れしている。そして食う。

ほじっては食い、ほじっては食う。


「もうそこにハナクソは無いよ。」

そう、教えてあげたくなってしまう。


ある時、先生がみんなに向かって

「この中にハナクソをほじって食べている人がいます!

体に悪いからやめて下さい。」

と名前を伏せて注意をした。


みんな、じっと黙っていた。

すると、先生がいつものように大声で元気よく言った。


「わかりましたか~?」


「は~い!!」


その子だけ元気よく返事をしてしまった。


誰もが分かっていたが、誰もそこには触れない。

子供なりの優しさだ。


あれから何年が経ったのか。


俺はこの話を思い出し、一人ほくそ笑む。

ハナクソだけに、ほクソ笑む。