
気がつくと桜が葉桜にかわっている、
僕はこっちの方が好きかも知れない。
そんなきれいな景色を見ながら
もうすっかり僕の心の中の
住人になってしまった君
僕といつも並んで
歩いている
話している
笑っている
手を繋いで
相づちを打って
風の通り道を歩く
でもふっと風が止んで
気がつくとあたりは真っ暗
君はいない
今まで話していたのは誰だったの
僕の回りの空気が
僕を押しつぶしにかかってくる
苦しくなって声を出したくって
でも一番声にしたい君の名前が
記憶の中で重たいオブジェになって
揺らすことも転がすこともできない
僕は全く酸欠状態に落ち込んで
深く沈んだまま
プールの底から水面を見てる
するとプールサイドにたゆたう影が
僕の無呼吸記録をストップウォッチで計っている
それが君に見えてしょうがない
君はそんなに意地悪だったのか





