2ヶ月前の8/1に未経験、ド新人介護士わたしさん。

都内の某ブラック特養に

転職エージェント経由で転職をしました。



まず「特養とは?」というところからですよね。


  1. 「特別養護老人ホーム」の略。常時の介護を必要とし、また家での介護が困難な、六十五歳以上の老人を受け入れる、福祉施設の一種 
    Google先生より



数多くある介護施設の中で

なぜ特養を選んだかというと

嘘をついても仕方ないのでアッサリ言いますが


『転職エージェントがそこしか紹介してくれなかったから』


この辺りは

・自分から「ここ」という強い希望がなかった

・自分もきちんと下調べをしなかった

・言われるがままに面接を受けてしまった

・疑問や不安に思ったけれど言えなかった

・とりあえず福利厚生が充実している

というだけで選んでしまった事を後悔&反省しています。



わたしが入社した特養は「ユニット型」と言って

10〜13人の利用者さんで1ユニット、

その1ユニットを1人の介護士が専門的に担当して

1フロアには3つのユニットがありました。



あまり詳細に書くと個人情報のなんちゃら、とか

身バレしそうなので伏せますが

30人を越える利用者さんの殆どが

自分では立つことはもちろん、着替えることも

食べることもできない、介護度の高い利用者さんばかりでした。


面接は、施設長や副施設長、主任等がわらわら入れ替わり出てきて

とても和やかな雰囲気で進みました。

皆さんとても感じが良かったです。


面接を受けてから次の日に「採用」という返答をいただき

入社の数日前に手続きをし

その際にきちんと始業時間も聞き

「申し送りや朝礼、夕礼等で早めに来た方が良いとかありますか?」と尋ねましたが「ない」と言われ


必須の持ち物として言われていたのは

・白いスニーカーと白い靴下と白系のポロシャツ

・伸縮性の高いパンツ(チノパンとか)

・食事介助をする時のエプロン

・訂正印のついた印鑑


慌ててユニクロや無印で買い集め

衣類系は一度お洗濯をして

印鑑はネットで注文して

入社初日、ドキドキしながら言われた時間より30分ほど早めに指示されたフロアへ行くと

トレーナーに就いていただけるらしき先輩の冷たい視線。

「おはようございます」という声もかき消されるほどの利用者さんの絶叫。

この時は知らなかったのですが、そこの職場では


『1時間くらい前にはフロアへ来て

 よろしくお願いしますと先輩に頭を下げて回って

 引継ぎを読んだり自習をしているべきだった』


のだそうです。


は?

知らんがな?


と思いましたが

その日は「遅くなってすみませんでした」

「明日からは気をつけます」

と頭を下げるしかありませんでした。

これからここで頑張っていかないとならないので

敵は増やしたくないですからね。



そしていきなりの「え?それ違法じゃない?」ポイントがあり

この施設の勤務形態は本来

早番 7:00〜16:00   (昼休憩1h)

遅番 12:00〜21:00 (昼休憩1h)

夜勤 21:00〜7:00   (夜休憩2h)

なのですが『送り』という引継ぎがあり

自分のシフトの始業時間に

それまで頑張って勤務をしてフロアを回していてくれた同僚から申し送りがあります。


その為

早番は6:45、遅番は11:45、夜勤は20:45に

自分のシフトが始まる15分前にはフロアは来ていなければならなくて

しかもこの「送り」という大切な朝礼のようなものの間15分が


無給なんだって!!!!!!!


15分前倒して勤務してるけど


お給料には入らないんだって!!!


それでも、まだ初日だし…とドキドキしていたワタクシ。

どんな人達と、どんな利用者さんの介護をしていくんだろう

初日はアセスメントシートを読んだり

(※アセスメントシートとは?利用者さんの個人情報

 その方がどんな既往歴があって

 利用者本人やご家族がどんな介護を望んでいるのか

 どんな生活を望んでいるのか、等が書いてある)

同僚や利用者さんに挨拶をしたり、館内を見て回るんだろうな

トイレや非常口、館内の設備とかちゃんと覚えなきゃ

方向音痴だからメモを取って…なんてドキドキしていましたが


申し送り直後、先輩から

「はい、じゃ食介(食事介助)やって」

とフロアにぽつんと取り残されました。


え、誰のを?????


おそらく、目の前で「ア〜ア〜ア〜」と唸ってるこの利用者さんだと思うのですが

そこにいる利用者さんの殆どが

「ねぇーーーーーえぇぇぇぇーーーーーー」

「ぎぃゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

「食べさしてぇぇぇぇぇでぇぇぇぇぇ」

「お部屋(に返して)ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

「スプーン持たせてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」

「だぁぁぁぁれぇぇぇぇぇかぁぁぁぁぉぁぁぁ」

と絶叫しているというカオスな状態。


間違った利用者さんに間違った食事を提供して

万が一、事故になったらいけませんから

小走りで慌てて先輩を追いかけると、先輩は一言

「終わった?」


(30秒足らずで終わるわけねーだろ!)


という思いを必死に押し殺し「○色のお洋服の方ですか?」と先輩に聞くと、呆れたように

「そうだけど?」と言われ。

「すみません、これからやります」とわたしが言うと先輩は「早くしてね?もう間に合わないから」

と一瞥し、別の仕事へ。



この日から


「遅い」


「早くして」


「時間ないよ」


「もう間に合わない」


「(利用者)さんがもう限界だよ」


という台詞を

一生分言われるようになることを

キラキラド新人介護士のわたしは

この時はまだ知りませんでした。