あさみさん | シジンの日記

シジンの日記

つれづれなるままに、心にうつりゆくよしなしことを、だらだらと書かせていただいてます。

あさみさんはOLだ。
朝早く会社へ行って仕事をして夕方に帰ってくる。
あさみさんは性格も外見どおりとても地味だ。
みんなでお酒を飲んだり遊びに出かけたりすることはあまり好きではない。
あさみさんは刺繍が好きだ。
だから会社から帰って食事を摂ると、テレビを見ながら刺繍をする。
あさみさんはいろいろなものに刺繍をしてきたが、最近はただの布に刺繍をしている。
そうすれば作品をたくさん作っても小さくまとめてしまっておくことができる。
日曜日の昼間は部屋を片付けたり洗濯をしたり。そうしてまた夜はテレビを見ながら刺繍をする。
ある日曜日、あさみさんが窓を開けて部屋の掃除をしていると作品の一つが風に飛んでしまった。
ちょうど雲の間を飛ぶ魔女を写した刺繍だった。
あさみさんの刺繍はたまたま道を歩いていた男の人が拾った。
これはなんと素晴らしい刺繍だろう。
その男の人はあさみさんの刺繍を一目で気に入ってしまった。
男はあさみさんの部屋を訪ねると、是非うちの店に置かせてほしいのですが、いかがでしょうか?、と言った。
男は小洒落たブティックを経営していた。
あさみさんは最初は拒んだけれど、結局はOKした。
あさみさんの刺繍がブティックに並ぶようになると、とても評判をとって飛ぶように売れた。
あさみさんがいくら刺繍をして追いつかない。
あさみさんは会社を辞めて刺繍に専念することになった。
あさみさんは朝からずっと刺繍をしている。

でも刺繍が本業になってからのあさみさんは、夜は刺繍はしないで絵を描くようになった。
とても趣味のよい水彩画だ。
日曜日には写生に出かけるようになった。

このあさみさんの絵が誰かに認められるかどうかはわからない。
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シジン