花音の四門出遊 | シジンの日記

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つれづれなるままに、心にうつりゆくよしなしことを、だらだらと書かせていただいてます。

湖西国の花音はちょっとひねた王女だった、
ある日、花音が王城の東の門から出ると老人に会った。
あらあら、みっともないわね。私はああいうふうにはなりたくないわ。
花音はそう思った。
別の日に花音が南の門から町へ出ると身動きの取れない病人がいた。
自分の意思では動けないのにだらだら生きているなんて情けない人なんでしょう。
花音はぷいと顔を背けた。
また違う日に花音が王城を西の門から出て町へ出ると葬式の列に出会った。
ふん、女王の私が歩いているのに葬式の列なんて。でも、人は皆死ぬんだわ。
花音はそう思った。
そうして、また別の日に花音が北の門から王城を出ると清らかな顔をした僧に出会った。
あぁ、何て清らかな顔をしているのだろう。私もあのようになりたいわ。
花音はその僧のことが好きになってしまい、お庭番を使って極秘にその僧のことを調べた。
調査結果では、その僧は顔がいいことを利用して主に女性をだましてお金を巻き上げる、金だけを愛している極悪非道な売僧だった。
そのことを知った花音は、ある日王城の高い塀から飛び降りて自殺してしまった。
花音の部屋には一枚の紙が残されていた。
「私のように人を見る目がなく、わがままでいい加減な王族が長く生きるのは資源の無駄遣いなので死にます」
花音は自分で自分のことがよくわかっていなかった。
花音のような面白い王族は国の象徴であって存在していること自体が存在理由で、決して資源の無駄遣いなんかではない。

花音が自殺する原因となった売僧はすぐに処刑された。
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シジン