下記はフランス語の葡萄のサイト「Noms des CEPAGES」からサンジョヴェーゼについてのコピーである。

 

- Identification/Origine : originaire de l'Italie, c'est le célèbre Sangiovese de Toscane produisant les célèbres vins de Brunello de Montalcino et le Chianti. Ce cépage est inscrit au Catalogue officiel des variétés de vigne de raisins de cuve liste AD'après des analyses génétiques, il est issu d'un croisement naturel entre le calabrese di Montenuovo (mère) cépage quasiment inconnu et le ciliegiolo (père).

 

東大阪に本拠を置くワイン輸入業者のサイトには次のような記載がある。コピーすると

 

サンジョヴェーゼはトスカーナを起源とするブドウ品種だと考えられていましたが、現在では2004年のDNA系統解析に基づいた説が有力です。それは、トスカーナ品種とカラーブリア州の品種の自然交配というものです。

片親の『チリエジョーロ』はトスカーナで現在でもキアンティの補助品種として使われているトスカーナの伝統品種。もう一方が『カラブレーゼ・ディ・モンテヌオーヴォ』で、カラーブリア州に起源をもつとされています。

 

どうやら起源については上記のフランス語のサイトを全面信頼しているようだ。

 

輸入業者のサイトには続きがあり、一部をコピーすると

 

ニエルッキオ

フランス領のコルス(コルシカ)島ではニエルッキオと呼ばれています。コルスは現在フランス領ですが18世紀までこの島を統治していたヴェノバ人が持ち込んだとされています。島で最も重要な品種とされており、サンジョヴェーゼ抜きにコルスを語ることはできません

 

先ずはシノニムの表記について件の通り「Nielluccio」はニエルッキオとは読めないことを理解して頂きたい。「Niellucchio」ならそう読まれたかもしれないが、スペルは「Nielluccio」である。もちろん他のシノニムにも「Niellucchio」など存在しない。

 

恐らくわが国で権威を持っているであろう「何某教本」とやらでそういった間違い記述が散見されるためそれらを信じて疑わない生徒がそう呼んでいるからに他ならない。

 

未だに「Dosage」をドサージュと読んで憚らないワインインポーターの長老も居られる。

 

カタカナ表記のまま丸暗記するのが大きな間違いの元である。フランスの葡萄はフランス語で、ドイツ原産の葡萄ならドイツ語表記で覚えなければ後々意味が通じなくなってしまうはず。

 

最後にサンジョヴェーゼの親葡萄については現在発表されている2例も明らかに矛盾する訳であり、今後のさらなる遺伝子解析の結果を待たねばならない。葡萄の親子関係について「決めつけ」は慎むべきである。