Clairette B

クレレット、CMでやってる「クロレッツ」に似た発音でこちら 、末尾にBが付くので白ワイン用の品種です。クレレット + 何某 という葡萄品種は何と 43 も存在します。原産国はフランスが殆どですがイタリアそしてハンガリーなどもありチュニジアというのもあります。正式名称は CLAIRETTE BLANCHE クレレット・ブランシュ、勿論フランス原産、プロヴァンスがその原産地と思われる品種であります。

先にサイトをご紹介しましょう、元祖フランス葡萄品種のサイトはこちら 、l'appellation Clairette d'Adissan、こんなアペラシヨンが昔存在したとは知りませんでした。まあ 1948年 9月 28日廃止なので随分昔のことですが。この葡萄も他の品種とよく間違われてきた歴史がある様子です。

次に新フランス葡萄品種のサイトはこちら です。中程のグラフを見ると 1958年では14,099ha とそれ以前はもっと広かったはずです。ですが年々減り続け 2011年では 2,284ha と昔の 2割にも満たない数値となっています。ワイン用として以外に食用、ブランデー用としても使われるとのこと。

フランス農学研究所のサイトはこちら 、プロヴァンスが原産地としてあるようですが、フランス各地での呼び方について詳しいですね。特に面白いのが Blanquette de Limoux、本来この名前のワインに使われた品種はモーザックのはず。で、モーザック(正式名称は MAUZAC BLANC )を調べてみるとやはりそのシノニムに BLANQUETTE DE LIMOUX がありました。クレレットとモーザックは混同されていたこと間違いないはず。
さてフランス農学研究所のサイトの詳細情報 ではこの品種の原産地をラングドック・ルーシヨンとしています。 メインではプロヴァンスなのに、どういうことなのでしょうか、摩訶不思議であります。

VIVC のサイトはこちら 、シノニムは45例報告されています。

このクレレット 100% で造られるワインのアペラシヨンは4つあるはず。

1. AOC Clairette de Bellegarde 辛口白ワイン

2. AOC Clairette de Die ですがこのアペラシヨンの泡は次のような規定がありクレレットのモノ・セパージュだけではありません。

a) - Les vins susceptibles de bénéficier de la mention « méthode ancestrale » sont issus des cépages suivants :
- cépage principal : muscat à petits grains B ;
- cépage accessoire : clairette B.
b) - Les vins élaborés par seconde fermentation en bouteille sont issus du seul cépage clairette =100% Clairette.

即ち a) メトード・アンセストラル表示のものはミュスカ・ア・プティ・グラン・ブランが主要品種でクレレットは脇役。

b) 第1次醗酵は別の醗酵槽で行い、瓶内第2次醗酵するもの即ち méthode traditionnelle メトード・トラディショネルはクレレット100%であると云うこと。

3. AOC Coteaux de Die 2005年の統計で実際栽培される畑は僅か3ha という小さなアペラシヨン で辛口の白ワインのみの生産。昔はアペラシヨン・クレレット・ド・ディーだったのですが確か1993年に分離されてしまい、独立したアペラシヨンとなりました。

4. AOC Clairette de Languedoc 辛口白ワイン  rancio そしてVin de liqueur VDL メッチャ甘口

同じアペラシヨンながら辛口もあれば極甘口もあるので注意が必要です。