ワインの裏側表側 ソーテルヌの第1級格付けシャトー・ギローが造る辛口白ワインです。アペラシヨン(フランス語により近い日本語表記に改めます)は単なる「BORDEAUX」でしかありませんから上位アペラシヨンにしか興味のない人達にはご縁のないワインであります。

「ボルドーの辛口白ワインと云えばシャトー・オーブリオン・ブラン」あるいは「シャトー・ムートンの造るエール・ダルジャンしか飲まない」というセレブの会話が聞こえてきそうですね。ワイン文化が低い中国の人達のお話なら分かるのですがワインをそこそこ分かったはずの日本人にもそんな人達が多いのが今の現状であります。

この辛口白ワインのアペラシオンが何故 Bordeaux かという理由については拙ブログのこちら にてご説明致しましたが件のボルドーワイン委員会の日本語版サイトを閉鎖したためリンクが途切れています。重複しますが今度は INAO のサイトの地図を引用したいと思います。

まずは大きくアペラシヨン・ボルドーの地図 をご覧下さい。ジロンド県の西部、南西部を除き大部分がその範囲となっています。次にアペラシヨン・グラーヴの指定された範囲をご覧下さい。
こちら です。お気付きでしょうか、大都市のコミューンであるボルドーが除外されていて南の方のランゴンの西部と北西部もブランクになっています。

ではこちら をご覧下さい。ランゴン近くのブランク部分はこのアペラシヨン・ソーテルヌの範囲なのです。場所からするとグラーヴであっても不思議ではないのですが、ソーテルヌはグラーヴと相反する性質のワインなので、その地域はグラーヴの範囲から除外されたという経緯があったはずです。


余談ですがペサック・レオニャンの範囲はこちら 、先程のグラーヴの一部であり、その範囲は重なっていることがご理解頂けると思います。

さてソーテルヌはご存知の通り甘口白ワインのアペラシヨンであり、ソーテルヌ地区で甘口以外の白ワインを造ると残るアペラシヨンはボルドーでしかありません。もう一つのアペラシヨン、ボルドー・シュペリュールは現在の法律では甘口白ワインしかその名を名乗ることは出来ないからです。

ワインの裏側表側 さてさて、この生産者の造るメインのワインはシャトー・ギロー、アペラシヨンは当然の如くソーテルヌであります。

ところでアペラシヨン・ソーテルヌとアペラシヨン・バルサックは同じと思われていませんか?

アペラシヨン・バルサックはアペラシヨン・ソーテルヌの範囲内の一つのコミューン、BARSACだけに限定されたアペラシヨンであります。

地図はこちら 、ソーテルヌはこちら ですからアペラシヨン・バルサックは2つの地図を比べて貰うとソーテルヌのごく一部に付与されていることが分かります。

INAOのサイトから最も新しい「BARSAC」に冠する法律はこちら から左のメニュー「Barsac」をクリックするとご覧頂けます。

2007年改訂版の法律原文はこちら 、何が違うかと申しますとまず葡萄品種の書き方が異なります。

2007年改訂版では

Sémillon, Sauvignon, Muscadelle.


これは葡萄品種の解析が進み、これまで同一と考えられていたソーヴィニョンですが実はソーヴィニョン・ブランとソーヴィニョン・グリとの2つがあったとINAOが認識したからでしょうね。

しかしですよ、現在までにフランス原産とされるソーヴィニョンを冠する葡萄品種は

SAUVIGNON BLANC 10790
SAUVIGNON BLANC (4N) 10791
SAUVIGNON GRIS 22513
SAUVIGNON NOIR 22506
SAUVIGNON PRECOCE 40828
SAUVIGNON ROSE 10792
SAUVIGNON ROUGE 10793

7種類も確認されています。その内一番下とその手前の10792、10793はトラミナー種と何らかの品種の交配種でありソーヴィニョン・ルージュはソーヴィニョン・グリのシノニムを持つので今後法律に出てくる葡萄品種はさらに増えそうな感じであります。


ちなみにソーヴィニョン・ブランとソーヴィニョン・グリは全く異なる品種でソーヴィニョン・ブランの突然変異種ではありません。

となっていますが最新版では

muscadelle B, sauvignon B, sauvignon gris G, sémillon B.

の表記に変わっています。