Pazo de Monterrey Godello 2009 DO Monterrey Bodega Pazos del Rey
パソ・デ・モンテレイ、ヴィンテージ2009の下に印字がある「GODELLO」は葡萄品種名「ゴデーリョもしくはゴデイオ」、生産者はボデガ・パソ・デル・レイ。
スペインはポルトガル北部と程近いガリシア地方のDO・モンテレイの白ワインです。
DO・モンテレイについてはスペインワインのサイトからこちら
をご覧下さい。
生産者のサイトはこちら
で、スペイン語と英語版があります。
葡萄畑は全部で25ヘクタール、葡萄品種はこのワインに使われるゴデーリョの他白品種のトレイシャドゥーラ、赤ワイン用のメンシア Mencía そして Bastardo でワイナリーとしては恐らく「白屋」のはず。
生産者のサイトからワインの醸造に関わっている人は Nick Hatherly と Josephine Perry 、ワイナリーのオーナーは Sergio Alén と書いてあります。
醸造責任者は2人いるみたいですが、ご両人ともオーストラリア人であるのは不思議ですね。
輸入元の説明は次の通りです。コピーさせて頂くと
原産国 : スペイン
地方 : ガリシア
モンテレイ D.O.
ブドウ品種 : ゴデーリョ 100%
樹齢 : 15~20年
土壌 : 花崗岩質、スレート(粘板岩)
栽培面積 : 15.5ha
収量 : 60hl/ha
年間生産量 : 125,000本
醗酵 : ステンレス・タンク醗酵
ヨーロッパのワイン法に詳しいサイトからDO・モンテレイはこちら
をご覧下さい。
原産地としての法律が制定されたのは1996年2月3日のこと。そんなに古いお話ではありません。
第4条にその地域が、また第5条に葡萄品種の規定が定められています。
葡萄品種に関する記述をコピーさせて頂くと
blancas:
variedades recomendadas:Dona Blanca (Moza Fresca), Godello, Treixadura
tintas:
variedades recomendadas:Mencia, Merenzao (Maria Ardoña o Bastardo)
Variedades autorizadas:Tempranillo (Arauxa).
白ワイン用推奨品種はドナ・ブランカ(モサ・フレスカ)、ゴデーリョそしてトレイシャドゥーラ。赤ワイン用推奨品種はメンシア、メレンサオ(マリア・アルドーニャもしくはバスタルド)、認可品種テンプラニーリョという意味なのでしょうか。
その他ヘクタール当たりの葡萄の植え付けに関すること、収量など品種により制限があることなどが書かれているようです。
さて開けてみましょう。
キャップシールのトップに描かれているのは日本の鎧甲に似ていませんか? エチケットにもあるのですけど・・・
栓は例の新しくなった nomacorc のはず。
抜栓直後に飛んで出てくる香りは甘いトロピカルフルーツのそれ。
グラスに注ぐと色はイエロー・ゴールドでやや青い成分もあります。妙な泡立ちもなく変な化学物質みたいな匂いもありません。
グラスを廻すと香りは柑橘系が強くなってきました。甘い香りとは異なるスッキリ系で最初の印象とは違ってきました。
口に含むと綺麗な辛口、アフターにグレープフルーツみたいなビター成分を感じるのは面白い。
残留亜硫酸レベルは低く、程良い酸が食事時にはピッタリかも知れません。
スペインはガルシア地方のモンテレイ、ゴデーリョという葡萄100%で出来た辛口白ワインですがなかなか楽しめる1本でありました。
箕面のコーヨーで見付けた和歌山は勝浦に揚がったビンチョウ鮪の短冊を角切りにして山葵、ゲランドのフルール・ド・セル、エクストラ・ヴァージンで和え、焼き海苔と胡瓜のスティックで食べます。
ワインとはとても良く合いますよ。
おまけで葡萄品種の話を少し。
このワインに使われているゴデーリョはスペイン原産の白品種でシノニムは次の通り
AGODELLO
AGODENHO
AGUDANHO
AGUDELHA
AGUDELHO
AGUDELLO
AGUDELO
AGUDENHO
BERDELLO
GODELHO
GODELLA
GODENHO
OJO DE GALLO
TRINCADENTE
注意しなければならないのはポルトガル原産の葡萄品種 GODELHO の存在です。この品種のシノニムは一つで GODILHO、ゴディーリョと呼ばれ非常に紛らわしい。
DO・モンテレイで使える他の白品種ですがまずは DONA BLANCA について申し上げるとこれが正式名称で、モサ・フレスカの他ヴァレンシアーナなど43のシノニムがあるスペイン原産の白品種です。
そして3つ目の白品種 Treixadura ですが正式名称は Trajadura トラジャドゥーラでシノニムは6つ
TEIXADURA BLANCA
TREIXADURA
TRINCA DENTE
TRINCADEIRA
TRINCADENTE
VERDELLO RUBIO
赤ワイン用のメンシアはスペインワインのサイトからコピーさせて頂くと
Mencía【メンシア】
この品種は、中世時代、サンティアゴ・デ・コンポステラに向かうヨーロッパの巡礼者たちによってイベリア半島にもたらされたと考えられている。
ガリシア州でも栽培されているが、特に結果がよいのはDOビエルソである。粘土質と石灰質とスレートを含んだこの地域の土壌をこの品種ほどよく表現しているものはない。生育・成熟期間が短く、樹勢はそれほど強くない。房はほぼ円柱形で、皮はそれほど厚くない。テンプラニーリョよりもタンニンや酸味が少ない成分で構成されているが、飲むとフレッシュなワインとなり、また潜在アルコール濃度14パーセントの達成をみるまで成熟する。近年、革新的な醸造家たちによって注目されるワインが造られている。
シノニムは5つ
LOUREIRO TINTO
NEGRA
NEGRO
TINTO MENCIA
TINTO MOLLAR
もう一つの赤ワイン用の品種バスタルド Bastardo ですが正式名称はTROUSSEAU NOIR トゥルソー・ノワールで原産地はフランスのジュラと考えられます。
シノニムは34もありますがこの地方ですと María Ordoña もしくは Merenzao と呼ばれています。