ワインの裏側表側 ドメーヌ・パランのACポマール、「Pommard」のイントネーションは前にあり「ポ」が強調され語尾のマールの「ル」は殆ど発音されないかむしろ「フ」に近い音であります。


このコミューンですが、ボーヌ側とヴォルネイ側に分けられるのは一本の川によってであることを知っている人は(現地を訪れたことがある人を除けば)少ないはずです。丁度コミューンの中心部にこの川が流れているのです。


実はこの川、最近ではその例が少なくなったものの1975年の8月の氾濫は大変な被害を与えたはずでした。洪水により生産者のセラーが水浸しになったということを文献で読んだ記憶があります。


1975年と云えばボルドーは大変なビッグヴィンテージと宣伝されたのが1980年代の中頃のこと。ところがブルゴーニュのヴィンテージチャートから1975年は早々と姿を消していましたがそれはこの8月の大雨のためであることを知っていて損はないと思います。


尤もボルドーの1975年、最近ではあまり評価の高い年ではなくなった様子ですね。その理由の一つとして化学肥料蔓延の年であったことが挙げられるのではないでしょうか。


一般に新聞報道されるヴィンテージ評価、あまり信用しない方が賢明なのはいつも申し上げている通りであります。


さて生産者のジャック・パランは内平野町の地下ワインバーでご一緒したり何度か食事をご一緒したことがあるのですが既に10年前隠居していたとは知りませんでした。今は息子が跡を継がずに娘さんたちがドメーヌを継承したとバーガンディ・リポート に書いてあります。


ジャックの息子フランソワはジャン・グロの長女アンヌ・フランソワーズと結婚して別のドメーヌ「A-F・グロ」をやっているとのことです。仲良くしているのか私には疑問に思いますけどね。


アンヌとかフランソワ、フランソワーズなど同じ名前とか似たような名前で紛らわしいのですが現在のドメーヌ・パランの当主はジャックの娘アンヌ・パラン、引き継いだのは1998年のことであります。
ワインの裏側表側
さてヴィンテージ2001年というとアンヌ・パランが全面的に関与したヴィンテージのはずですので開けてみましょう。


まずはずっしり重いキャップシールですがもちろん錫製でコルクは若干横漏れ気味であります。ですが瓶口までには達してなく恐らく暑かった2003年の影響ではないかと考えます。


コルクを抜くとニュイとは全く違う独特のボーヌの香りがしますが、これがポマールの香りであるという決め手にはなりません。グラスに注ぐと大変綺麗な赤色を呈します。


いろんな形容詞を用いても表現できないのが香りと味であり、飲んでみて初めて判るのがこのワインは大変良いワインであること。


昔のイメージを払拭できない販売店やワイン愛好家の人に申し上げたい、パランのワインは変わったと。


先ず終始一貫して色、香り、味とも抜栓から最後の一滴に至るまで変化はありません。また飲み飽きしない味であります。


グラスに注ぐと妙な泡立ちは一切無く、変な匂いも全く感じません。舌の上を転がしても何らピリピリ来るところはありません。変に甘いところはありませんし食事にとても良く合います。


フルーツトマトとイタリアのモッツァレラ・バッカとバジル葉のカプレーゼに豚肉と白菜の軽い煮込み、岡山地鶏のローストにディジョンのマスタードという晩飯に合わせましたが、全く違和感はなく大変美味しく飲めました。


アンヌ・パランの今後を見守りたいと思いますが、このワイン市場に流れていますので是非一度お試し頂きたいと私は申し上げます。


モッツァレラ・チーズに限らずチーズ全般はヨーロッパ製に限ります。ワインと同じですが私は日本製のチーズやワインは一切買いませんし食しません。もちろん、試したことは何度もありますが買うに値するものは今まで一切ございませんでした。