高額なワイン会


ネットでとあるワインを検索していたらこんなのが引っ掛かりました。こちら をご覧下さい。2008年12月のはじめに東京で開催されたワイン会です。


初めに申し上げますが趣味として楽しむワイン会ではなく「アカデミー・デュ・ヴァン東京校の講座の一環」と書いてある通り営利目的のワイン会であるならば、それなりに用意周到に準備しなければならないはず。ところがこのワイン会のために用意されたボトルは各一本ずつとしか考えられません。


これはプロとして恥ずべきことではないか、少なくとも3%の確率(私の経験では5%はあります)でブショネが発生しますので会費21万円のこんな高額なワイン会なら「メインとなるワインの予備は絶対用意すべし」と云うのが私の率直な感想であります。


次に、この主宰者はそこそこワインに詳しい方のはずですけど先ず私に理解できないのが全てのワインが所謂有名ブランドのワインばかりであります。それも生産者が明らかに「ビジネス・ワイン」と認めているお高い物が含まれています。


普通生産者と懇意にしているならばこんなお金儲けを目的としたワインは使わないのが原則ではないでしょうか。

また選んだ会場、ここは元ザ・ハウス・オブ1999とか云う名前で高い入会金が必要だった会員制レストラン・クラブだったはず。いろいろな曰く因縁付きのレストランで、オープン当初は床のきしみ音が妙に気味悪かったものです。まあワインの持ち込みは容易なはずですけども。


ロオジェやアピシウスの方が適切ではなかったでしょうか。そういったレストランにワインの持ち込みがこの主宰者は出来なかったのではないかという疑問が生じます。


次に音楽、お医者さんが多いとならば「ミスティ」は無いと思うのですが・・・、ショパン24のプレリュードからだったならば、それなりに納得すると私なら考えます。


で、ワインに移りますとウェイティング・バーで頂くシャンパーニュからして成金趣味であります。ペリエ・ジュエという生産者、他と違ってプレミアム・シャンパーニュの生産比率が異様に高いところでありますがこちら をご覧下さい。


恐ろしくお金のかかったHPであります。


以前は日本オリヴィエという会社が輸入しておりましたが、現在日本では例の大手が握っていると思います。


やたらお高い透明ボトルではなかったことがせめてもの救いでしょうか。


さてベル・エポックのマグナムは軽いので食前酒には丁度良いのですが品質と価格のバランスが悪すぎると私は思います。


で、問題は次のシャンパーニュ。


ボランジェは拙ブログで何度か取り上げていますが元専務のドートフォイユ氏も亡くなったクリスチャン・ビゾー氏も「デゴルジュマンのあとはすぐ飲んでほしい」という考えでシャンパーニュを造られていた方々であります。


その意に反してデゴルジュマンから6年も経ったモノ、それも同社ではもっとも重いシャンパーニュを食事の頭に持ってくるとはこのワインを飲んだことがない人間であると断定できるのではないか!


実際ご自分でも「これは困った」と吐露しておられます。


知らないワインを食事に合わせようとするなど以ての外ではないでしょうか? またこのレストランのソムリエは何故アドヴァイスしなかったのか、私は疑問であります。


次にコルトン・シャルルマーニュと次のモンラッシェ、この順番は明らかに逆であります。


1989年のブルゴーニュはそれこそ大変素晴らしい年でありましたが、1988年は80年代では最悪の年と評して過言ではないヴィンテージであります。


この年、収穫の時期にブルゴーニュに滞在しておりましたのでよく知っておりますが、評論家諸氏はボルドーが良かったのでブルゴーニュはそれなりに悪くはないであろうと推測で評価したに違いないと私は思っております。


私ならこの1988年ヴィンテージは絶対に買いもしなければ飲むこともないヴィンテージであり、これを選ぶ主宰者のワイン歴を疑ってしまいます。


また科学的に味の分析をされているようですが、コルトン・シャルルマーニュの良い年ならば20年程度の熟成で「香ばしい香り」になるとは思いません。真贋も含めてこういったワインをメインに持ってくるのは如何なものかと思います。


次のラ・ターシェですが「信頼できるルート」から入手したならその出所を明記すべきであります。そのころはまだ居られたはずの高島屋DRCの責任者栗田氏から買ったとか何らかの根拠を示す必要があるのはDRCは偽物ばかり出回っているからであります。


ちなみに1985年ヴィンテージのラ・ターシェ、高島屋でその当時定価で買っても¥50,000程度だったはずです。


ブルゴーニュのラ・ターシェに対してボルドーならシャトー・ラトゥールを選ばれるのは尤もなことだと思いますがヴィンテージがいけません。


1982年と云うとラトゥールにとっては極めて軽い年であります。せめて1970年という選択は出来なかったのでしょうか、高額な会費を考えると1961年こそ相応しいヴィンテージであると考えます。


ちなみに1982年のシャトー・ラトゥール、リリースから5年間ほどはデパートで買って高くて¥25,000程度でありました。


また食後酒はポルトやマデイラよりもソーテルヌの甘口にすべきだと思われませんか? 価格が不明瞭なことがその選んだ理由ならば理解できますけど。


最後にもう一度ワインリストをご覧下さい。


シャンパーニュが二つとも綴りが間違っています。


Champagne La Belle Epoc 1996 Magnum →Belle Epoque
Bollinger Vieille Vignes Françises 1989 →Vieilles Vignes Françaises


これはケアレスミスではなくそう信じて書いたのではないでしょうか。これが先生の書く文書であるなら生徒は可哀想です。