ヴュー・シャトー・ランドン、1990年代前半から業界を騒がせたワインの1つです。生産者のHPはこちら
、何と日本語版はないのに中国語版を用意しているではありませんか!
ワイン業界では我が日本国、完全になめられた存在でしかありません。
ヨーロッパ諸国では昔、日本・韓国・中国などひっくるめて「ファー・イースト」と呼んでいたにも拘わらず現時点では中国サマサマなのかも知れません。
大した記事を書かない○売オンライン「ドリンク&ワイン」では「超リッチな中国人、パリの空港でワイン580万円購入」などの見出しで中国人の羽振りの良いことをアピールしています。
ところで私が申し上げたいのはパリ・シャルルドゴール空港の土産物コーナーで売られているワインの真贋にまで触れることの無い、この記事の低俗さであります。
そもそも空港の売店などに本物のお高いワインなど扱う業者など世界中に一軒もないはずであります。
湾岸戦争の最中にフランス旅行しておりましたが、この空港で売られるDRCのワインは全て偽物だったはず。
香港でも妙に分厚いラベルのシャトー・ラフィットのビッグ・ヴィンテージを何本も見かけました。
大体デューティーフリー・ショップでワインを本当に分かっている人達が(本物だと信じて)お高いワインを買うでしょうか?
ワインの記事を書くならそれくらいのことは分かって書くべきであると私は思います。
空港の売店ばかりではありません。
フランスのワイン専門誌のどの本を見ても怪しげな広告が後を絶ちません。
中国人が欲しがる(我が国の人もそうでしょうけど)ペトリュスやル・パンそしてお決まりのDRCがオン・リストされていますが、それに引っ掛かるワイン愛好家そして酒販店が多いというのがその理由であります。
「何でもお金さえ払えば手に入る」と思うのがワインの世界では通用しないのであります。
話が逸れてしまいましたが本題です。
生産者のHPからベガダンの位置はお分かり頂けると思いますがコミューン・ドット・コムからはこちら をご覧下さい。
地図上で分かり易いのはレスパル・メドックから北北東7キロの地点にあるのがこのベガダンであり先日ご紹介したヴェルチュイユからレスパル・メドックまでが13キロ、ポーイヤックからヴェルチュイユまでが11キロある訳ですからポーイヤックからベガダンまでの距離は31キロも離れていることが分かります。
メドックは広いところですね。
さてヴュー・シャトー・ランドンの畑は35ヘクタール、カベソー70%、メルロー25%、珍しくマルベックが5%と云う構成です。生産量は公称年産100,000本、ですがヘクタール当たり40hlは出来るはずですから単純に考えて186,000本は生産しているはず。
生産者はこのワインの他にChâteau Haut Barrail を造っておりこちらは年産 20,000本、その7割がプライベート・カスタマーで3割が輸出用とのこと。また新しく「Lylic」というホテル・レストラン専用アイテムも造っているとのこと。
キャップシールはアルミのツーピース構造でトップの孔はご覧の通り不規則に2つ開いています。コルクはどういう訳か形が歪であります。恐らく著しい温度変化があったはずで、漏れこそ無いものの余り望ましくない環境の下に置かれていたのは確かであります。
グラスに注いでみましょう。妙な泡立ちは一切無く強い目のメルローのアロマが漂ってきます。若いワインなので仕方ありませんが色は若干濁っており、また紫色の成分は既に失せているようです。
味わいは残留亜硫酸が殆ど無い模様でナチュラルな感じに好感が持てます。果実味はそんなに強い訳でもなく酸やタンニンも余り気になりません。新樽の少し焦がした樽の香りでしょうか、飲むに従い複雑味が増してくるようです。食中酒としてはまことに良く出来ていると云えます。昨日一昨日のワインと比べるのは無理なお話ですがピュアなところに欠けるのは機械摘みのせいでしょう。
しかし問題は価格でしょう。人気は別として冷静に判断すれば蔵出し価格でせいぜい5ユーロまでのはず。税別小売価格が¥3,100 とはハッキリ申し上げてダブル・プライス。
輸入元は航空会社のビジネスクラスで何年も続けて採用されているとはしゃいでいますが、キャセイ・パシフィックで使われたところで一般の人へのアピールになるとは思えません。
