まずはこちらの画像英数字が並んでいますがこれはボーモン・デ・クレイエールのシャンパーニュの瓶底近くに印字されているものです。
「L.FB09-156-171207」となっていますが最初の「L.」はロットを示す頭文字。次の「FB」が「Fleur Blanche」の略号、「09」はヴィンテージ、この場合は1999を意味します。次の156は個別の生産者の表示だったと思いますが失念。最後の「171207」がデゴルジュマンの日付、即ち2007年12月17日を示します。
ですからこのシャンパーニュは去年の12月にデゴルジュマンされたことになり大凡の瓶内第2次醗酵に費やされた期間は7年間ということになります。と云うことは84ヶ月、大げさに宣伝していませんが実に手間暇掛かったシャンパーニュなのであります。
早速開けてみましょう。銀色のキャップシールを取ると金色のミュズレが見え、プラックは金属印刷が施されています。コルクは残念ながら普通の積層タイプです。クリスチャン・ブルモーが使っている「ブショネ・フリー」のタイプを使ってもらいたいと願います。
コルクのボトムには会社名とそのシンボルマークでしょうか、側面には「MILLESIME 1999」の印字があります。デゴルジュマンから半年以上経過していますが、コルクの笠はパッと開き健康そのものであります。輸送並びに保管状況が完璧だったことが窺えます。
抜栓と同時に私は洋梨の香りとリンゴを感じますが同時に柑橘系の仄かな香りも混じっているようです。まあ犬じゃあるまいし鼻をピクピク動かすわけには参りません。
グラスに注ぐと泡立ちはとても細やかでビールのように泡の層が出来そうな勢いがあります。色は青みの強い薄黄色で彩度はかなり控えめではないでしょうか。味わいはと云うと少し酸が足りないように感じます。穏やかすぎるように感じるのは私が酸っぱい物好きなのが原因かも知れません。
ひょっとするとヴィンテージのせいでしょうか? ちなみにシャンパーニュ最近のヴィンテージでは1996年が一番気に入っております。もっと新しいヴィンテージは2005ですけどまだまだ先のリリースですからね。
シャンパーニュの熟成で濃い色を発色するのはたいていの場合お釈迦寸前であります。保管状況が悪い場合はアーモンド臭が強くなります。
ですがこれは人それぞれでそういった濃い色強い匂いが本来の熟成と信じて疑わない人が大勢おられるのも事実。 高いお金を支払えば何が何でもそれが一番と信じたい気持ちは分かります。
シャンパーニュは移動に弱いデリケートな飲み物であることは今までに数多く述べてきたつもりです。以前列車であるいはトラックでランスからパリに運んだだけで不味くてお客さんに出せないと云うことを申し上げましたが、日本までの移動距離はそれどころの騒ぎではありません。
またリーファーが普及した現在に至っても、ドライコンテナーで輸入しているインポーターも存在するのですからヘタな業者しか扱っていない販売店は本来の味を知らないままで売っているのでしょうね。
シャンパーニュはシャンパーニュ地方に実際に行って味わうのが本筋であり、幸せなことに私の場合古き良き時代のクリュッグ、ボランジェ、そして今も昔も変わらないテタンジェやアルフレッド・グラシェンに何度も訪れることが出来たので本来の味を覚えてしまいました。
レアもののシャンパーニュは先ずその味を知っている人と飲んだ方が無難であります。間違った知識を覚えてしまうと変なものが美味しいと云うことになってしまいますからね。