8v0208.jpgMoulin は風車、シャトー・ムーラン何とかと云うシャトーは山ほどあると思いますが「ムーラン・ド・マレ」など初耳のはずであります。スペルは違いますが有名な「ソシアンド・マレ」とよく似た名前なので親しみやすいというか紛らわしいというか名付けはお上手みたいです。


ところがこのシャトーの存在する場所 Pujols は全く記憶にないコミューンですので調べてみると何とアジャンの街の北側、ワインの産地で云うとベルジュラックの南側、コート・デュ・マルマンデよりも東に当たる位置なのです。広いACボルドーですがこの Pujols は圏外にあるはずであります。
念のためボルドー・ルージュのINAOのHP を調べてみると Pujols はその名前がハッキリ明記してあります。一体どういうことなのだろうと思ってもう一度調べたら Pujols はジロンド県とロット・エ・ガロンヌ県とに別のコミューンとして存在するのが分かりました。ネットで最初にヒットしたのは後者でしたがややこしいですね。一時はボルドーの範囲がいつの間にか広がったのかと疑いました。で、アントル・ドゥー・メールに関するINAOのHP を開いてみるとありました、Pujols の名前が! 残念ながら地図上には見つかりませんでしたが大体の場所の見当は付きました。


さてこのワインはネゴシアンの Salin (サランと発音するのでしょうが、あまり日本人には気持ちよくない名前ですね)が販売しています。このネゴシアンの場所はボルドー市内中心部から北へ8㎞ほどのコミューン、ブランクフォール(33290)にあるのですが郵便番号だけしかエチケットには記載がありません。


さてキャップシールはビニルコーティングのアルミ製、蝶のイラストが可愛いですがコルクは45ミリのクズコルクを固めた例のヤツで安っぽさは否めません。何はともあれグラスに注いでみましょう。

なかなか綺麗な色調でつやのある赤紫色を呈しています。香りはメルローの果実香で大変フルーティーなのがなんだかボルドーではないような感じです。口に含むとスイスイ入っていくようで余計な刺激物を感じません。色は濃いものの味に重量感はなく料理の邪魔はしないワインであることは確かでしょうか、マイルドという表現がピッタリかも知れませんね。


今夜の献立は寒いので豚しゃぶ。イカリスーパー箕面店では湯葉弥の生湯葉が特価で売ってましたのでまとめ買い雪割り白菜とエノキダケにいつもの豚腿しゃぶしゃぶ用を購入、隣のコーヨーでお気に入りの豆腐を買い、昆布出汁+イカリのチキンブイヨン袋入りで! おろしポン酢に九条ネギの小口切りそして寒いので赤柚子胡椒を効かせて頂きました。

ワインとの相性は悪くありません。気軽に楽しめる樽なし赤ワイン。輸入元のデータによるとメルロー80%、カベルネ・ソーヴィニョンとカベルネ・フランが合わせて20%、醗酵:セメント・タンクとステンレス・タンク(3週間マセラシオン)熟成:ステンレス・タンク 11ヶ月 とのことであります。ボルドーでの推定出荷価格は3ユーロ前後、価格の割にはかなり旨い赤ワインだと思います。日本での小売価格は1500円位。樽の風味が嫌いな人にはピッタリではないでしょうか?