8v0206.jpg右岸の仕掛け人「ジェフリー・デイヴィス氏」が手がけるワインとして輸入元が薦める新アイテムの一つです。まずは輸入元の説明をご覧下さい。「ジェフリー・デイヴィス氏といえば、筋金入りの“右岸の仕掛け人”。現在のボルドー右岸の目覚しい発展は、この人の存在抜きには語ることができない、といっても過言ではありません。
今やワイン業界における発言力も相当なもので、パーカーにも一目置かれており、デイヴィス氏の進言にはあのパーカーも耳を傾けるといわれるほど。(中略) サンフランシスコ出身の彼は、様々な経歴を経た後、1987年にボルドーでワイン商を始め、無名ながら優良な生産者を探し、『ヴァランドロー』、『グラシア』といったワインを世に送り出していきました。
他の多くのネゴシアンと違い、今でも畑を回り、無名の生産者と一緒に働きながら優れた品質のワインを世に送り出しています」とのことです。ほかにはジャン・フィリップ・ジャヌイクス社も彼の見つけた生産者とのことですが大体の趣味が分かりますね。
このワインの生産者については次の通り「オーナー兼醸造家のジャン・ミッシェル・フェルナンデス氏は、除草・グリーンハーベストを行い、農薬やSO2の使用も極力抑えたオーガニックに近い造りを行う」とのことであり、今風のワイン造りには欠かせない要件は満たしているようです。

でもエチケットはかなり安っぽくはないでしょうか? ブルーに金文字のシャトー名をあしらったキャップシールはコーティングもしていないアルミ製、コルクは所謂クズコルクを固めたようなよくあるタイプで角を面取りしてあるので悪くはないのですが、上物を目指すならあまりにも神経が無さ過ぎます。印字は実にユニークですが別に取り立てて書くほどのモノではありません。


グラスに注ぐとまだ紫色の成分が残っておりとてもきれいな赤紫色を呈します。香りは実にフルーティー、メルローよりカベルネ・フランの香りが顕著でロワールの赤ワインに似た風味が感じられます。樽のえぐみなど感じませんが少しスパイシーなのは機械による摘み取りのせいかもしれません(機械摘み取りかどうかは未確認)。口に含むとまずはビターチョコのような味わいに凝縮されたベリー系の甘さ、ちょっとざらつくタンニンですが後味に嫌みは残りません。

輸入元のデータによると「A.O.C. コート・ド・カスティヨン、ブドウ品種 :メルロー 70%、カベルネ・フラン 30% 、樹齢 :平均35年、土壌 :粘土石灰質 、収量 :36hl/ha 、生産量 :100,000本 、醗酵 :ステンレス・タンク、熟成 :オーク樽熟成 12ヶ月(フレンチオーク、225L、新樽比率30%、1年使用樽30%)、40%はステンレス・タンクにて熟成」とのことであります。


最近気に入っている鴨鍋の出汁に岩手鴨(合鴨)の胸肉でしゃぶしゃぶに。野菜はキノコの類と白髪葱で薬味は粉山椒。市販の出汁ですが結構楽しめます。もちろん私には濃すぎるので昆布出汁で薄めて使います。

昨日の残りのワインと比較すると顰蹙を買いそうですが、今日の鴨は少し血がまわった感じだったのでこのボルドーがよく合いました。推定蔵出し価格5.25ユーロ。食事時には結構お勧めできるワインだと思います。