8o0204.jpgまずは毎年買い続けているオリーヴオイルのご紹介です。別に宣伝するつもりはありませんが自分の味覚には合っているし、ワインと違いそんなに沢山のオイルは必要ないと考えるのであれこれ迷わずこれ一種類に限り使っています。早速試してみましたが、新しいヴィンテージ2007年の特徴は極めて緑色が濃いことです。今までの中では一番濃い緑色を呈しており、香りも頗るスパイシーであります。「キツい!」とお叱りを受けるのはトスカーナオイルの愛好家からでしょうか、シチーリアのように刺激は強くないのでこれくらいは勘弁して貰いたいところです。まとめ買いしたモッツァレッラ・ブッファーラとフルーツトマトでカプレーゼにしてこのオイルを振りかけるとトマトの香りが一段と引き立ちます。胡椒は入れてないのに白胡椒の風味が漂い、またチーズもより一層旨味成分が強調されます。06ヴィンテージのマイルドさはありませんが極めてフルーティーなのでどちらもお薦めです。新鮮な白身魚のマリネには06を、カプレーゼやサラダには07を合わせるとご理解頂けると思います。


ところでミシュラン東京の掲載不可の店について思ったことを述べます。今まではこのガイドブックを頼りにフランスほぼ全土を回ってきましたが、フランスで掲載拒否の店があるとは知りませんでした。東京でもあるのですからフランス国内でも当然のようにあったに違いありません。そう云えば永年ニースのネグレスコ・シャントクレールのシェフを務めた人がミシュランの☆維持するのを嫌いそのレストランを去って、ニース近郊で電話のない店を開いたとケザコのシェフに伺いました。この人物の作ってくれた「ポム・ド・テールとトリュフのガトー、フォワグラをのせて」はフランスで食べた料理の中では最も強い印象が残っており、私的にはもう一度食べたい料理のナンバーワンであります。彼はミシュランの★付きレストランをやめて☆とは無縁のレストランを始めたわけですから、フランスではミシュラン掲載不可の店が増えているのではないかという疑問が湧いて出て来ました


友里氏のお薦め「京味」がミシュラン東京に載っていないのですから、ひょっとしてパリの何処かに現在三つ星を獲得しているお店以上の旨い店があるかも知れないわけです。もしそうだとしたらミシュランガイドブックそのものの値打ちはゼロと云うことになりますね。私自身は今までミシュランを信じてきただけに裏切られた思いであります。


ミシュランだけに限らず現在のグルメ雑誌についても同じことが云えるのではないでしょうか? と云うのは雑誌掲載不可の美味しいお店が私が知っているだけでも京都には何軒か存在し、それらは殆どが小さなお店です。

これらのお店は仮にミシュラン関西が出版されることになったとしても絶対に載りません。大体際立った腕の主人は何もかもお一人で調理されるのが日本料理では一般的であります。ですから大箱に旨い店なしというのが定説であり本当に旨いものを食べようと思えばデカい店は避けるのが食通の道と云うもの。花板さん、煮方、焼き方などと分業が進んでいるお店でもキャパは20人までと云うのが店選びのコツではないかと。


しかし一方ではグルメ雑誌だけではもの足りずご婦人雑誌のグラビアに何ページも載せて貰いテレビ出演は数知れずというマスコミ追随派の料理屋もあります。ですがよく考えて頂きたいのは地元の旦那衆は全く行かないと云うこと! 食通の通わない店に旨い店なしというのが私の定説。ウルサいことを云わない客ばかりだと必ず不味くなるのは当然のこと。


グルメ雑誌の人達やテレビラジオ関係者が自分達の取材した店で美味しそうに食べている姿をあまり見掛けないのは何故でしょうか? それは自分達だけが知る本当に旨い店でコッソリ食べているからに他なりません。それが大抵掲載不可の店ですから一般の人は知る由もないと云うことになります。