7v1029.jpgラ・フレイネルの白ワインについては以前にこちらこちら で紹介しています。一見するだけでは同じワインとしか見られませんが実はアペラシオンが異なっています。アントル・ドゥー・メールとボルドー・ブランなのですがよく見比べたらかすかにお分かり頂けるはずです。生産者はヴェロニーク・バルト、このシャトーを任されたのは1992年からとHPに記載があります。以前にも述べましたがこの白ワインは昔から飲み続けておりますが、若い内に飲む極めて明快なワインであり気に入っております。


さて今日開けたのは白ではなく赤ワイン。ヴィニョーブル・バルトには3種類のシャトーの名前でワインを造っているようですが、輸出がメインのところならよくあることで1銘柄はホテル・レストラン向け、もう一つは量販店向け、残りの一つは一般酒販店向けである場合が多いと思います。ブルゴーニュも昔はよくありました。全く人気の無かったドメーヌ・ジャック・プリュールは別ラベル「シャトー・デ・ゼルボー」を装いせっせと輸出に励んでいた1980年代を覚えております。1980年代はむしろネゴシアンものの需要が大きかったわけでドメーヌ物は販売に苦労したことは記憶に新しいのです。


2005年のボルドーは並ものであっても旨いとの評判ですが早速開けてみましょう。


ラベルは茶色系なのにキャップシールはブルーというアンバランスで材質はビニルコーティングのアルミ箔、しかしコルクは天然の長さ50ミリとご立派ですがこれも何か不似合いであります。コルクにヴィンテージはなくシャトー元詰めの表示しかありません。液体に触れた部分はうす紫色と云うよりパープルトーンと云う方が良さそうな綺麗な色に染まっています。


グラスに注ぐとまず泡立ちからして紫色、液体の色も濃い赤紫色を呈しており香りは強いメルローの果実香であります。刺激的要素は全く感じませんし亜硫酸レベルも極めて低い良質な出来栄えであります。


このシャトー・ラ・フレイネルだけではないと思うのですが、ヴィニョーブル・バルトの所有する赤ワイン用の畑は50ヘクタールでその70%に当たる35ヘクタールがメルローで残りがカベソーであることが書かれています。鮮やかに完熟したメルローを感じるワインに仕上がっており高く評価すべきワインであります。


樽とは無縁のこのワイン、残念ながら輸入されるには至らなかったようですが私がテイスティングしていたら強く購入を勧めたはずであります。推定蔵出し価格は3.00から高くて3.50ユーロ、一口目のテイスティングでは解りにくいかも知れませんが、じっくり味わうと非常に優れたワインであることが理解出来るはずであります。


さて朗報です! このワイン東大阪が本社のM社ではボツになったものの箕面のボニリ・ジャパン社 では販売していることが判明! 店頭まで買いに行けば税込み¥1344で買うことが出来ます。さすがは西尾社長、ワインを見る眼というか判断するのは一枚上手であります。ワインを判断することは長年の経験と知識が必要であり、私に云わせて頂くと食の経験がものを云う訳であります。一口味わっただけで判断を下すとあきまへん。


ボニリ・ジャパンの店頭で販売しているものはスクリュー・キャップになっているのでより便利でしょうね。こちらは未だ飲んでいませんが概ね同じであることは間違いありません。ヴィンテージも間違いなく2005年であります。