2014年8月掲載
今回のウオッチナイトには、実はとんでもない2本の
「モンスターウオッチ」がさりげなくディスプレイされていました。
「オクト」の華々しいデビューは戦略商品ならではですが、
こちらはブルガリのマニュファクチュールの矜持。 マーケットも極めてニッチです。
そのどちらとも複雑時計「コンプリケーションウオッチ」であり
その複雑さと機能では現代最高峰のモデルなのですが、このようなモデルは実機を目にする事すら、まず叶わないんです、本当は。
それを今回、なんと幸運にも触る事が出来ました!
一つは昨年発表されたモデルでジェラルド・ジェンタシリーズ、そしてもう一点は
今年バーゼルで発表されたダニエル・ロートシリーズで、
かなり話題になっていたので様々メディアには既に取り上げられていますが、
どちらも製作に数ヶ月から一年はかかる上、ほぼオーダーメイドの芸術品レベル。
なので、「新製品」とは正しい言い方ではないですね。
とにかく存在自体が凄いんです!! なので、これだけの作品で貴重な機会を頂戴したので、もったいぶって一点ずつご紹介致します。
よく複雑時計を簡単に「グランドコンプリケーション」と呼ぶ傾向がありますが、
本来はこれは4つ以上の複雑機能を併せ持つものを定義します。
どちらも超複雑な時計である事は間違いありませんが、定義からは少し外れますので「グランド」はつきません。 この辺は正確に!
まずはこちら「ブルガリ ジェラルド・ジェンタ コメディア・デラルテ」
これは オートマタン・ミニット・リピーターと言う機能をもつモデルで加えて、
ジャンピングアワーとレトログラードを併せ持ちます。
ダイヤルに描かれた人物や小物がミニット・リピーターを作動させる際に、
いくつもの稼働ポイントをもつオートマタン(自動人形)として動きながら
物語を演出するとっても 「粋」 なモデルなのです。
モチーフとなっているのは、16世紀後半、イタリアやヨーロッパ各地で人気を博した即興喜劇 「コメディア・デラルテ」。
ユーモラスでダイナミック、そしてユニークな衣装や音楽で、当時彼らは演劇の最先端だったのです。
無垢のゴールドから削り出し彫刻されたパーツは、細密画の技法で彩色、
これまた細かな彫金と彩色をされたダイアルに、オートマタンとして何層にも組み込んでその世界観を芸術作品として完成させています。
裏側はグラスバックになっていて、リピーター機構のハンマーがゴングを打ち鳴らす様が見て取れます。
簡易な方法で録画したのであまり品質が良くありませんが、
「音」 に注目して耳をこらして下さい。 廻りがうるさいのに、
クリアーに聞こえます。
時計ケースはホワイトゴールド+マグソニック
特殊な形状も音響効果を計算してのものです。
「マグソニック」というのはブルガリが開発した優れた音響特性もつ特殊合金です。
わざわざ鳴りものの為に、素材まで開発しているのです。
録画の音から分かるように、クリアー響きと、かなりの音量である事がご理解頂けるでしょう。 実に気持ちいい響きです!
このモデルは3種類のダイアルデザインでそれぞれ8本製作されるそうです。
ですからここにあるのはそのうちの一点。
気になるお値段は、4000万円オーバー。
果たしてこれが高いか安いかと言えば、 「安い!」 んです、これが。
ここまで芸術的なモデルは少なく、また今の高級時計頂上決戦は鳴りもの時計。
オークションでも極めて高い評価がなされます。
余裕があれば、将来の為に投資する価値は十分あると考えます。
買っちゃいな!!
でも案外競争率は高いはずですが、