ある晴れた平日の昼下がり。

舌が足りず喋りもままならない少年が、

ズボンを相手に悪戦苦闘していました。

それを見ていた彼の母親は、

「はいはい。」

などと言いつつ彼にズボンを履かせてあげました。

しかし、なんでも一人でやりたがるお年頃の少年は、

せっかく履かせてもらったズボンをおもむろに脱ぎ始め、

再びズボンとの戦いに身を投じます。

何度履かせてやっても同じ様にその都度脱いでしまうので、

母親も我慢できなくなり、

「いい加減にしなさい!」

とピシャリと言い放ち、部屋から出て行ってしまいました。

しばらくして、母親がズボンの事など忘れ台所仕事をしていると、

トコトコと少年が台所に入ってきました。

その顔は、どこか得意気です。

見ると、一人でできたのかしっかりズボンも履けています。

「かちゃぁー(お母さん)。いい加減にちたよー!」


という子供だったみたいです。俺。