夜勤の休憩時間に事件は起こった。
職場近くの外のベンチに座って休憩時間を潰していた私にとって
大寒波到来の梅田はベンチにじっと座っているには極寒すぎた。
そのため 時折ベンチの周りを歩きまわって体を温めていた。
ベンチから10mほど離れたとこで禿げたおじさんが通りかかった。
禿おやじは私の座っていたベンチの近くで立ち止まったように見えたが、
その時友人と電話をしていた私は気にも留めなかった。
すぐに禿おやじは立ち去ったのが、なにか胸騒ぎがしてすぐにベンチに戻った。
案の定、そこに置いてあったはずの私のポーチがない。
中には財布も入っている。急いで周りを見渡すと、
禿おやじはすでに駆け足で逃げていた。
その距離30m
猛ダッシュで走る
禿じじいは大通りを渡っていたため、私は意を決して
車が横行する大通りを突っ切った。
すぐに追いついた。
ハゲはすぐに私がポーチの持ち主だと気づいたらしく、
フライング気味で謝ってきた。
だが私の怒りは落ち着かない。
「おい返せや。なにしてんねん」
初めて30も上の人間にタメ口で詰めた。
相手は平謝りの防戦一方
余計に腹が立ち、警察呼ぼうか と言った。
それでも相手は謝るばかり。
結局警察は呼ばなかった。時間と労力の無駄だと感じたからだ。
携帯でつるっぱげの写真だけ撮り、二度とするなと吐き捨てた。
事の顛末を電話越しで聞いていた私の友人は めっちゃおもろい と笑っていた。
「人生は近くで見ると悲劇だが遠くから見れば喜劇である」
Charlie Chaplin(チャールズ・チャップリン)