初めての彼女「N子」とは高校で出会った。

彼女とは別のクラスだったため、はじめ私は彼女のことを認識していなかった。

知ったきっかけは向こうからだった。

私と面識のある友達を通して、彼女からLINE追加がきたのだ。

後で聞いた話だが、高校の受験会場で、私に一目惚れしたそうだ。

女の子からLINE追加がきたことに浮足立った私は、次の日学校で彼女を探した。

小柄でポニーテールが似合っていた。

目がクリっとしたよく笑う女の子。私のタイプだった。

私達はすぐに想い合い、次の月には付き合い始めた。

私はN子のことが大好きだったが、初めての彼女に何をしたら良いのか分からなかった。

他のカップルと同じことをするのは こっぱずかしかった。

めったに電話もしなかったしデートもしなかった。

だんだんN子の気持ちが離れていった。

ある日、話があるからと、学校の帰りに公園へ呼び出された。

別れたいと言われた。

話を聞くと、同じクラスのサッカー部の男子が好きになったと。彼は毎日電話してくれる とのことだった。

私は何も言わなかった。

申し訳ないと思った。

だから笑って許すことにした。

駅で別れる時、最後にハグをした。彼女は泣いていた。私は笑っていた。

彼女が改札を通った途端に、涙が込み上げてきた。

子どもみたいに泣きながら自転車で帰った。

 

次の日、N子から電話がきた

開口一番、よりを戻したいと言われた。

急だったが、かっこつけだった私は訳を聞かなかった。

話し合いが苦手な私は、彼女なりに色々考えたのだろうと自分で自分に言い聞かせた。

さすがに周りから、お前は言いなりかと非難された。

 

高校2年

2回目の別れは私からだった。

N子が他の男子と仲良くしているのが気に食わなかったのだ。

別れる勇気を湧き出すために、彼女の嫌いなところをスマホのメモ帳にいくつも羅列した。

それでも勇気が出なかった。

結局LINEで長文を送った。

私を擁護する内容、

かといって彼女を傷つける覚悟もない、

中途半端な文章を一方的に送って 最後に、別れようと送った。

彼女は何も言わなかった。まるで、これでおあいこ と言っているようだった。

 

2回の別れを経て 3年生になった私に新しい彼女ができた。

移動教室で一緒だった美人な子だった。

どうせ美人は自分に興味ないだろうと普段から冗談ばかり言って接していたら、ある日突然告白された。

その子とは大学2年まで付き合った。なんせ美人だった。

大学で県外に出た私は、遠距離が嫌だという理由でその子と別れた。

性欲が凄まじかった私は、それからセフレを作り、バイト先の子とヤリモクで付き合い、出会い系アプリと睨めっこをし始めた。

だが、満足しなかった。

虚しかった。そこには愛がなかった。

昔のN子の画像を探した。可愛かった。夏服の写真を探してはマスターベーションを行った。

結局N子に3年ぶりの電話をした。

N子は楽し気に話をしてくれた。

昔の話を掘り返すこともなかった。近況を報告し合った。N子はまだ地元にいるとのことだった。

それから毎日電話した。

N子に、また付き合いたい と言われた。

遠距離が嫌いな私は断り続けた。

それでも寂しさを和らげたい私は毎日電話した。わがままな私にN子は付き合ってくれた。

N子は はきはき喋る。元気よく喋る。魅力的な声色で 素直に 強かに 自分の言葉で喋る。

気付けばN子とまた付き合いたいと思った。遠距離でもいいと思った。

私達はみたび付き合い始めた。

電話越しに愛を語り合った。

その年の正月休みで帰省した。実に4年ぶりにN子と再会した。

記憶の中のN子より、数倍綺麗になっていた。これが私の彼女かと慄いた程だった。

祖父から借りた車でドライブして、高校時代を語りあった。

私に一目惚れした話、別れを切り出した理由、、

1回目の別れの時、翌日に復縁を言い寄った理由をきいた。

あの日、改札で別れた後、N子は駅の窓越しに私の泣いて帰る様子を目撃したそうだ。

例のごとく号泣で帰路に就く私の後姿を見ていたN子は、大事な人を失ったと感じたらしい。

ドライブの後ホテルに行った。

2人の溜まっていたものがあふれ出た。

人生で最も熱い夜となった。

 

それから2人でいろんなところに行った。

気付けば私は大学4年生になっていた。単位を取り終えた私は、仮卒業のような状態になっていた。

進路先の県外へ一足先に引っ越すことにした。

これからどうするかN子と話し合った。

地元に戻る予定がなかった私は、N子に県外へ出てきてほしいと言った。

N子は、今の仕事もあるから5年待ってほしいと言った。

そんなに待てなかった。

結局別れることにした。

電話で何度も話し合った。だが話は平行線だった。

埒が明かないため、お互い頭を冷やすためにも、1カ月電話をやめようと提案した。

1カ月後、N子から掛かってきた電話を私は鬼になった気持ちで無視をした。

 

今でも私はN子のことが忘れられないでいる。青春時代の恋人は思い入れが違うのだろう。彼女が今どこで何をしているのか知らないが、幸せに過ごしていることを願う。