私が小学2年の時、母親は新興宗教にどっぷりハマった。
理由は子育てによるストレスだった。
私には二つ上の兄がいた。
兄と私は母親の言う事を全く聞かない子だった。
私は癇癪持ちで、兄は重度のADHDだった。
父は毎日仕事で、週に一度の休みは寝てばかりだった。
母は一種のノイローゼ状態に陥った。
母が助けを求めたのは宗教だった。
ママ友から勧められた宗教に興味を持ち、あっという間に信者になった。
私達兄弟も教えを聞きに、何度も連れていかされた。
如何にも二枚舌な教祖の教えを、信者達は手を合わせてありがたそうに聞いていた。
子ども心におかしな空間だと感じた。
成長するにつれて行くのが嫌になった。
中学の時分から、殆どいく事がなくなった。
肉親とは言え、なにか気持ち悪いと感じていたため、このことは仲の良い友達以外には言わなかった。
時が過ぎて私は大人になり、2年同棲した彼女と結婚した。
婚姻届けを出す2日前に母親からラインがきた。
結婚に際してお祈りをするから、彼女のフルネームと生年月日を教えてほしい とのことだった。
また宗教か と思ったが、私達を想ってのことだと彼女の情報を伝えた。
すぐに彼女にも報告した。
○○宗教のことだけど、お祈りがあるらしいから生年月日を教えたよ。
瞬間彼女の顔色が急変した。
私は彼女にも宗教のことを話していなかったのだ。どこかのタイミングで話した気でいた私は、
なんのためらいもなく肉親が新興宗教を信仰していると言ってしまった。その態度にも彼女は驚いていた。
あなたも洗脳されている。結婚はやめようと言われた。
だが私は別れられなかった。
彼女のおなかの中にはすでに赤ちゃんがいたのだ。
どうにか結婚する方法を向こう側の両親が考えてくれた。
知り合いの弁護士にも相談してくれた。
結局、私が婿入りすることで落ち着いた。
他方でいざこざはあったが、縁を切るわけではないため、一旦は丸く収まった。
母はすぐに宗教から足を洗った。
驚くほどきれいさっぱりだ。
あんなに信仰していたものを捨てるのは勇気のいることだったと思う。
だがやはり息子の幸せに邪魔をしてしまったことに責任を感じたそうだ。
宗教をやめた母は人が変わったようにすっきりした、と父が言っていた。