今更ながら、「自按摩」って何なのよ、と思っている人もいるだらう!
一言で言えば「ヨーガ・アーサナ」なんじゃ!
『天台小止観』や『摩訶止観』などに説かれている、瞑想に入る前に行う準備運動にゃ。
それは当時「天竺按摩」とか「婆羅門法」とか呼ばれていたらしい。
これは多分アーユルヴェーダのマッサージ法やヨーガ・アーサナが当時の中国にも伝わっていたんだな。
ところがどういうわけか詳しいやり方は仏教ではその方法を散逸してしまったんだ。
もともと坐禅の副次的なものだから重視されなかったんにゃ。
わずかに『天台小止観』や『摩訶止観』に坐法や病気に対する治療法が載っているが、それが天竺按摩・婆羅門法だろう。
天台大師がインド所説の四大論を中国固有の五行思想と融合させ、
それがヨーガの中華バージョンとして「吐納導引」「仙道」という技術となって道教に伝承されることになった!
天台大師はどんだけ偉いんでしょ!
まあ天台大師は「震旦(しんたん・中国のこと)の小釈迦」と呼ばれるから当たり前にゃ!
それが現代中国に至り、共産主義は宗教を否定するために吐納導引・仙道から宗教的要素を削った「気功」と名前を変えたんだね。
インドのヨーガ・アーサナも本来は深い瞑想に入るための座法なんじゃ。
んで、西洋人が体操的な要素を加味して膨大なアーサナが生み出されたんぢゃ。
それが健康にも良いし、それ自体リラクゼーションが得られるので、瞑想よりもこっちが本業になっちゃったんじゃな。
こっちの先生の方がもっとスゴイポーズだ!いや、あっちの先生の方がもっと凄いぞ!とかいってエスカレートしたんにゃ。
悟りとか瞑想の深さはとらえどころがないけど、難しいポーズが出来るのは分かりやすい!
つまり、より複雑ですんごいポーズができた人がヨガマスターになって生徒の取り合いをしたんにょ。
文献学的には太陽礼拝とか逆立ちとか複雑なポーズは伝統的ヨーガにはないよ。
本来のアーサナの役割は瞑想を安定的に深くすることにある!
その要諦は、筋肉・関節を柔らかくすることにより血行・リンパの流れを良くすることぢゃ。
また、筋肉の緊張・弛緩を意識的に行うので、自律神経の働きをコントロールする筋弛緩法と同じ効果がある。
また、意識の中の身体(内部表現)に対する気づきとコントロールもある。これは心理療法と同じぢゃな。
次回からまた詳しく説明してゆこう!
次回!「自按摩編⑧全身弛緩法①」お楽しみに!