コロナパンデミック以来、ズームやスカイプなどのビデオ会議システムを使う機会が増えていませんか?
また政府でもオンライン飲み会やオンライン帰省なども奨励していました。
私自身は、リアル講義ができないので、ビデオ講演がほとんどになりました。
リアルに会えないので寂しい感じはしますが、これまでのように全国各地に飛びまわらなくてもいいので、随分と身体への負担は軽減されました。
しかしなぜかオンライン講演の後に、ものすごい疲れを感じます。
私だけなのかなと思っていたら、すでに多数の海外の専門家がこの原因を探っていました。
この後もしばらくはビデオ会議やオンライン飲み会、オンライン講演会は続くでしょう。
いや、オンラインによるこれらはコロナ後でも、定番になっていくと思われます。
というわけで、世界経済フォーラムやナショナルジオグラフィック、ハーバードビジネスリビューを中心にいくつかの学者の説をまとめてみました。
疲れの原因
1、人に見られているという負担
英エッジヒル大の心理学者リンダ•ケイ博士は、 主に
画面に自分自身が映り、友人や同僚に良い画像を見せたいため
だと言っています。
いわゆる「自己提示の努力」が追加されることが疲れの原因の1つであると。
また、米クレムソン大の組織心理学のマリッサ・シャフラー准教授は、
「ビデオ会議に参加している時、誰もが見られていることを強く意識する。ステージの上に立っているかのようである」
と述べています。
自己を提示しなくてはいけない、人に見られていると言う意識が疲れの原因の1つになります。
2、集中力が必要
ビデオ会議は、限られた空間から情報を吸収しなくてはいけないので、会話にもっと集中するように強制されます。
ただでさえビデオ通話は視覚による情報が欠如していますので、多くの情報を得ようと我々は必死になるからです。
従って、マルチタスクを強要されます。
また、複数のことを一度に実行しようとすると、パフォーマンスが低下すると言う事が研究により示されています。
これを心理学で「継続的な部分注意」と呼ばれる現象です。
「継続的な部分注意」は「何も達成していないのにエネルギーは消耗している」という不可解な感覚を生み出してしまいます。
過分な集中力が疲れの原因のようです。
3、空気を読む
ビデオカメラには、顔かバストアップでしか映らないので、その中から空気を読まなくてはいけません。
そのため、我々の脳は、限られた情報から多くを得ようとフル活動します。そのために脳が疲れてしまいます。
4、沈黙の恐怖
通常の人との対話は「自然な沈黙」が伴います。
この沈黙も1つの情報源となり、自然な会話リズムを生み出します。
しかし、ビデオ通話の場合、沈黙が起きると、「電波障害」「遅延」という不安を生じさせます。そのたも、自然な会話を生み出すどころかストレスを与える結果になってしまいます。
5、社会現象
現在我々は、不安を感じながら生活をしています。すべての生活は規制されています。
ビデオ通話の発達により、仕事、交友、家族生活のすべてを同じ環境で行われるようになりました。
そのため、ズーム等を開くたびに、閉鎖的な環境に閉じ込められていることを脳が実感し、不安やストレスを感じるようになります。
仕事の場合は、その職を確保し続けるために、「最高レベルのパフォーマンスを発揮しなければいけない」というプレッシャーを感じていることが多くなりました。
これも「疲れ」の原因となります。
ここまでが疲れの原因でした。
下記は、これらの解消法としての改善策に関してにハーバードビジネスリビューを中心にまとめてみました。
改善策
1、休憩時間を作る
長時間、集中するのは疲れます。
途中でストレッチしたり、飲み物を飲んだり、軽く運動などをして休憩をとります。
例えば、スマホをいじったりして、一時的に違うことに集中して、脳をオフにすることを心がけましょう。
2、会議を短くする
せっかくの機会なので、会議時間をいつもより短縮する努力をしましょう。
そのことにより、効率性を高めるだけではなく、脳の刺激を抑えることができ、疲労を軽減できます。
3、画面上の刺激を減らす
視界から身を隠したり、マイクをオフにしたり刺激を減らします。
ただの会議であれば、まずカメラをオフにしましょう。
もしくは、最初の数分間だけカメラをオンにするなど、オフにする時間を作ります。
カメラが無いだけでも緊張とストレスは大きく和らぎます。
または、画面を正面ではなく顔の横に持ってくることで、隣の部屋にいるような感覚になり、そこまで集中力を必要としなくなります。
モニタを分けたり、通話だけ別の端末で実行するのも良いでしょう。
常に集中する必要が無くなり、緊張が和らぐので、集中力を維持するのに役立ちます。
4、断る勇気
同僚とのオンライン飲み会に出席する必要があると感じてはいけません。
必要に応じて、これまで通りの電話やメールに切り替えていきましょう。
以上が、改善策です。
今後も、ビデオ通話は継続的に必要になるでしょう。
この疲労の原因と仕組みを理解して対策を講じることは大切です。
ビデオ通話をできるだけ快適なものにしていきましょう。
YouTubeでも解説しています。
小さな幸せが大きな幸せ^_^
板越ジョージ 博士(学術)
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参考文献:
National Geographic
https://www.nationalgeographic.com/science/2020/04/coronavirus-zoom-fatigue-is-taxing-the-brain-here-is-why-that-happens/?utm_source=pocket&utm_medium=email&utm_campaign=pockethits
World Econmic Forum
https://www.weforum.org/agenda/2020/05/zoom-fatigue-video-conferencing-coronavirus
Harvard Business Review
https://hbr.org/2020/04/how-to-combat-zoom-fatigue