正直、資源価格の値動きにはついていけない。中長期的な実需のトレンドは上向きである事は間違いないのだろうが、ならば現在の価格にどの程度のファンド等の非実需筋のプレミアムが付いているのか?いつまでプレミアムが持続するのか?分かれば苦労はしない。ここでも中国の動向に一喜一憂。ファンド連中もパフォーマンスの差が大きくなっているだろう。ここから最後の勝負に出てくる連中も多そう、一波乱?いずれにせよ極端な価格の上昇を前提とした(例えば原油はバレル100$とか)投資戦略は避けた方が無難か・・・

とは言っても見ているだけにはいかない。三菱商事・三井物産・住友金属鉱山あたりを核に、ヘッジをかねて原油価格下落メリットを享受可能な企業、商船三井あたりをポートに入れるか。



NY銅先物相場(25日):2カ月ぶりの大幅高-中国で在庫減少

5月25日(ブルームバーグ):25日のニューヨーク銅先物相場は、2カ月ぶりの大幅高となった。上海先物取引所の指定倉庫の銅在庫が減少し、世界最大の消費国である中国で需要が上向いていることが示唆され、同国での供給過剰懸念が後退した。

上海先物取引所がこの日、ウェブサイトで発表したところによると、3年ぶり高水準となっていた同取引所の指定倉庫の銅在庫は過去1週間に0.5%減少した。ロンドン金属取引所(LME)の指定倉庫の銅在庫は6営業日連続で減少している。

マン・ファイナンシャル(コネティカット州)の商品アナリスト、エドワード・メイヤー氏は「予想外に上海で在庫が減少したことで、市場では緩やかな回復が見られている」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の銅先物7月限は 14セント(4.4%)高の1ポンド=3.3205ドル。3月15日以来最大の上昇となった。1週間では0.1%の下落で、これで3週間連続の下げとなる。

ロンドン金属取引所(LME)では、銅先物相場(3カ月物)は200ドル(2.9%)上昇し、1トン=7200ドル。昨年5月には過去最高値8800ドルを付けていた。


日経金融:

予想を裏切る非鉄価格――投機促す需給要因(商品うらおもて)

「非鉄価格の見通し? 買うのか売るのかファンドに聞いてくれ」。大手製錬会社の幹部は冗談まじりに言った。いまやマーケットを動かしているのは、生産者でも実需家でもなく、非鉄にかかわりのない投機マネーだというのだ。
 銅や亜鉛などの非鉄価格は昨年、空前の高値を記録したあと下げに転じ、過熱相場は沈静に向かい出したと大方の市場関係者はみていた。ところが予想に反し、今年に入ってまた足並みをそろえて上昇、ニッケルは高値を更新した。
 ニッケルでは「ファンドどうしの攻防戦で、売り方が買い戻しを迫られた」(大手商社)という事情があったようだ。市場での空中戦には「説明不能」とさじを投げるのも無理ないが、価格は現物の需給と全く無縁と切って捨てるのもどうか。波乱要因のひとつは中国だった。
 中国の一―四月の銅輸入量は約六十八万トン。「月に九万トン強」とみられている必要輸入量を三十万トンあまり上回った。これがファンドの買いを促したと推測できる。需要が急増している中国は、銅に限らず亜鉛やニッケルでも常に波乱の目だ。輸入が急に増えたり減ったり猫の目のように変わるところも、マーケットが振り回される理由になる。
 しかし輸入急増の反動もまたあるもので、上海取引所の銅価格はロンドン金属取引所(LME)を下回るいまや大幅な逆ざや。「近く中国の余剰地金がLMEに流れ込む」との観測がしきりだ。そんなこともあって、銅だけでなく非鉄全般に足元では調整色が出てきた。
 非鉄の各研究会(生産国、消費国で構成、需給数字などの統計を整備する国際機関)が五月にまとめた見通しでは、銅とニッケルは今年は若干の供給超過。素直にこれに従えば、非鉄価格がさらに高値を追う可能性は少ないといえる。実際、日本の非鉄関係者では弱気の見方が多数派だ。
 だが、予想としばしば逆になるのが非鉄市場の最近の特徴だ。銅の供給超過分はわずか二十八万トン、世界消費の一・六%に過ぎない。鉱山や製錬所の事故などが起これば、供給不足に一転しかねない。実は今年は大きな供給障害はまだ起こっていない。
 今年、生産開始する予定だったニッケル鉱山が一年以上先延ばしになるなど、非鉄の鉱山開発が計画より遅れているケースが目立っている。
 環境問題などをめぐる地域住民とのあつれき、資機材のコスト上昇など多くの問題が影響している。価格が上がれば生産が増え、需給は調整されるという教科書通りの筋書きにはなかなかいかない。
 「年間需要が千二百億ドル程度の銅市場に数十億ドルの投機資金が入っている」。マネーの動きは確かに無視できないが、何でも投機のせいにするのも適当ではない。投機を促す需給面の要因があることも理解した方がよい。