与謝野町の酒蔵と花崗岩 | 地質・地理と文化 ージオサイト巡りの旅-

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京都府与謝野町を訪問して

道の駅「シルクのまち かや」で見つけた日本酒セットに書かれていた「大江山の伏流水を使った」ということば。

大江山というのは酒呑童子で知られていますが、地質学の世界では蛇紋岩や橄欖岩の山として知られています。山陰海岸ジオパークでは酒蔵のほとんどは花崗岩地帯にあるのに対して、この酒に使われているのは蛇紋岩地帯の水? それともやっぱり花崗岩地帯の水?

ということで、まず道の駅の人に尋ねてみました。

 

 

道の駅の人にたずねたところ、大江山というのは一つの山ではなく、いくつかの山を含めた一連の山地を大江山連山と呼んでいるとのこと。そして地域ではこのあたり一帯で出る水はすべて大江山の水と認識しているとのこと。

 

そこで販売元の与謝娘酒造さんを訪問すると、

 

 

その水は店の裏にある花崗岩の山から引いている水だとのこと。

 

 

飲ませていただくと、花崗岩ならではの軟水で、このままミネラルウォーターとして売ってもいいくらいおいしい水でした。

 

周囲には蛇紋岩や古生代の地層からなる山地がある中、与謝娘酒造をはじめ酒蔵の多くはやっぱり花崗岩分布域にあるということを、改めて確信できました。

 

ちなみに、ここのご主人はジオパークのことをご存じで、大江山山系のツアーにも時々参加されているようでした。近くにはほかの酒蔵もあり、そちらにも訪れたいと思います。