2007/10/7 OA目

澤田:今日は最近封切された日本の空手映画『黒帯』に主演している八木明人さんを紹介します。八木さんは沖縄空手では有名な八木空手道場の館長でもあります。

八木:は~い!めんそーれ!(笑)

澤田:めんそーれ!元気な挨拶ありがとうございます!いよいよ待望の映画『黒帯』が1013日(2007)に公開ということですが、今日は色々とお話を聞かせてください。沖縄空手の老舗と言っていんでしょうか?八木空手道場の館長ということですが八木さんは今おいくつですか?

八木:今年で30歳になります。

澤田:若くして館長なんですね。この時期に道場を留守にして大丈夫なんですか?

八木:はい、30歳になったときに父であり師である八木明徳先生から館長を譲り受けたんですけど、男30歳になって足場を固めようかと思いながらも、東京で沖縄空手を広められないだろうかといろいろ考えながら向こうから出てきました。

澤田:私の手元に映画『黒帯』のパンフレットがありますが、この映画の誕生までには様々な苦労があったと思うんですが、この映画の内容はどんなストーリーなんでしょうか。

八木:そうですね、簡単に言えば空手の黒帯を先生から誰が受け継いで、誰がそれを継承し、次の世代に伝えるかというような真面目で正統派の空手映画という感じですね。

おやしらずインタビュー1)映画に出演するキッカケは?


GEONOUS~地球の智叡~-八木4

澤田:もともと八木さんは空手家なんですけど役者ではないですよね?

八木:はい、そうです。まったくのド素人です。

澤田:その八木さんがどうしてこの『黒帯』に出るということになったんですか?

八木:空手は日本の文化ですよね。僕も心のどこかで本物の空手を見せられる映画を世界に発信したかったんだと思うんですよ。カンフーであればジャッキー・チェーンだったり、ジェットリーとかいるじゃないですか。実は本物の日本の空手を映画として世界に伝えたかった人がこの映画製作者の中にいたんです。その人は西さんという方なんです。

澤田:西さんは制作者として関わっていますが出演もしてるんですか?

八木:はい!ご自身も出演しています。企画者、美術監督でもあり出演なんです。僕はというとオーディションがあってそこで選ばれたんですよ。

澤田:へぇ~オーディションを受けたんですか?それでどんな感じだったんですか?

八木:空手の部分では自信を持って堂々と出来たんですけど、とにかく演技をするのは初めてだったのでどんなに一生懸命やってもぎこちなくて、恥ずくてどうしようもなかったですね。小さい頃から目立ちたがり屋な性格で今まで恥ずかしいとかあまりなかったんですが、もう天と地の差がありました。200%くらいでオーディションもダメだろうなぁと感じていましたね。

澤田:じゃ~そのオーディションは自分では不合格だと思っていたんですね。

八木:絶対に受からないと思っていました。というか、初めは役者さんに空手を指導する先生として東京に呼ばれたんじゃないかと自分では思っていたんですよ。後でスタッフのみなさんに聞いたんですが、空手家に演技を教えたほうが本物の空手映画が出来るんじゃないかということで僕が選ばれたそうです。

澤田:映画制作の側とするとそこまで本物の空手にこだわって作ろうということで、演技は下手だけど空手は一級品だからなんとか演技を覚えてもらおうということですね。

八木:はい。そうみたいです。

澤田:それでどれくらいの期間、演技指導を受けたんですか?

八木:みっちりと2ヶ月くらいですね。

澤田:2ヶ月?それでクランクインしたのはいつですか?

八木:2006年の102日くらいですね。

澤田:最初の日はどうでしたか?

八木:やっときたぜ~みたいな感じです!

澤田:お~!勉強してきたオレの演技がようやくここで花咲くぜ!みたいなそんな感じですか?

八木:はい。まさにそうですね!

澤田:初日はリラックスできましたか?

八木:前の日は眠れなかったですね。とうとう始まるんだなぁって。沖縄から来て東京で一人暮らしをするのも初めて、生活全てが新しいことで緊張して眠れなかったですね。俺はこのために東京に居るんだぁって。遂にこの俺が本物の空手映画に出れるんだぁ~と一人感動していました。

澤田:オーディションから演技指導を受けた2ヶ月間の成果が花咲くわけですからね。

緊張しますよね。映画の撮影中は何か楽しかったことやエピソードみたいなことが

ありましたか?

八木:そうですね、緊張の連続でしたがやっぱり楽しかったですよ。監督をはじめ、美術さんとスタッフの皆さんがそれぞれプロでテキパキとした動きの凄さにビックリしました。自分の仕事を全てこなしてひとつの物をみんなで作り上げているという感じがあって感動しましたよ。

澤田:主演ということですとだいたいは八木さんのシーンを中心に回るわけですよね。

八木:そうです。なので失敗したらヤバイとか(笑)。みんなに迷惑かけるとか、時間と予算も限られているし、、、みたいなことも考えましたね、

澤田:そうですよね(笑)。こういう本物の空手映画を撮るとなると真剣勝負のような空手の型を組んだりしますよね。ケガはされなかったんですか?

八木:ケガは多かったですね。空手の練習をみんなでやったりしたんですけども、とにかく本物にこだわりたいということで嘘の格闘じゃなくて、本当に相手に当てにいくという練習だったんですよ。当てるほうも当てられるほうもその練習ばっかりやっていたんですよ。どうやったら衝撃を少なくホントに当てていけるかなとか。監督も嘘がないような演技にしたかったみたいです。

澤田:他の映画なんかでそういうシーンを見る時がありますが、あきらかに当たってないなぁ~、嘘っぽいなぁ~とか感じるときありますもんね。それが分かると冷めちゃったりして。ただ、実際の出演者は大変ですね。体中アザだらけだったりして!

八木:そうですね。結構アザだらけでした。

澤田:男の勲章みたいなものですね。

八木:はいそうなんです。

           <ミュージックブレイク>

ロケットインタビュー2)空手は運命である

GEONOUS~地球の智叡~-八木3

澤田:ところで若くして館長になった八木さんの経歴を聞きたいんですが?

八木:僕の道場の開祖は剛柔流の宮城長順先生という方でして、その後継者が自分のおじいちゃんである八木明徳先生なんです。総本部で沖縄空手の本家本元のような存在で剛柔流を継承している道場です。僕はその家にたまたま産まれて小さい頃から空手の環境で育ちました。いつも身近に鉄アレイだったりサンドバックだったり、空手に来たお兄さんたちだったり、そういうのを見ながら育ったので気づいたら自分空手をやされていた感じですかね。

澤田:産まれた時から空手家にならなきゃいけない運命だったわけですね!

八木:悲しいかな‥‥そうですね。

澤田:なんか北斗の拳みたいでカッコいいですね。全くこの映画そのままですね!

八木:はい!そうです。

澤田:そんな運命に生まれてきたんですから監督もみんな八木さんを選びますよね(笑)でも産まれた時から朝から晩まで寝てもさめても空手となると結構嫌になるときもありますよね?

八木:そうですね。小さいときは毎日嫌でしたよ。3歳から始めたんですが最初は全然わからないじゃないですか。突きや蹴りをして遊んでいる感じだったんですけど、やっぱり幼稚園とか小学生になったら学校終わって空手に行かないといけないんですよ。みんなは塾行ったり水泳行ったり習字したりしているのに‥‥なんかうらやましかったですね。

澤田:そうですよね。周りとはぜんぜん違う生活スタイルですからね。そういえば何か別な趣味があるって話を聞いたんですけど。

八木:はい!『琉球フリースタイル』というロックンロールバンドやっています。

澤田:えっ!ロックンロールバンドですか?バリバリのロックンロールですか?

八木:なかなか素直でポップなロックです。

GEONOUS~地球の智叡~-八木2

澤田:それはすごいですね。身体はがっちりしているし、まさか音楽をやっているなんて思いもしなかったですね。それでバンドでの担当は?

八木:僕はボーカルと少しギターを担当しています。沖縄には米軍基地があって小さい頃から金髪の外人が歩いていてカッコ良かったんですよ。体格も大きいからなんか憧れていたんですよ。映画やファッションを見ていてとにかくカッコ良くて、音楽はアメリカンロックやツイスト。格好もリーゼントや革ジャンだったり、それこそ当時は不良の音楽みたいなイメージが強かったんですが、恥ずかしながらバンドやったら女にモテるんじゃないかとかいうような甘い考えもあったんですよ。あとは‥‥空手以外で自分の気持ちを表現したいっていうこともあったんですよね。

澤田:見た目は硬派なイメージがあるけどちょっとナンパなところもあるんですね(笑)。毎日の規律にそって厳しい練習をしていると、そういう違う部分で自分の心を表現したいとういう興味がでてくるのかもしれないですね。八木さんのロックバンド「沖縄フリースタイル」ですが全国でCD発売されているんですよね!

八木:はい、タワーレコードで販売されています。

澤田:全国で発売されているなんてすごいですよね。空手もそうですが音楽もプロなですね。音楽活動のほうは現在どんな感じで進めているんですか?

八木:沖縄を拠点にずっとやってきてあとは全国のライブハウスツアーに出たりしています。色んな地域をまわっているんですが東京だけ違いますね。ノリも違うし盛り上がります。東京のバンドもオシャレだし原宿なんかの街並みを見てもすげ~って感じしますよ。やっぱり自分は田舎者だなぁ~とか思いますね(笑)

澤田:でも八木さんは自身の主演映画が1013日封切られるんですからすごいことですよ。映画が封切りになったら色んなところから取材を受けるんじゃないですか?

八木:そうなると嬉しいですね。

澤田:では最後になりますけども映画もとりあえず撮り終えて封切を待つのみ。自身のバンドもプロとして活動しているんですが、今後の夢や目標があれば聞かせてもらえますか?

八木:そうですね、空手はもう小さい頃からやっていて食事と一緒で生活の一部みたいな感じです。ただやっぱり自分の空手もまだまだなんでトレーニングを積みながら色んな人に空手を伝えたいと思うし、それと自分の唯一の趣味でもある大好きなバンドは絶対続けていきたいと思います。とにかく男として産まれた以上、男らしく生きたいというのが僕の目標です。

澤田:いいですね。とても男らしい目標ですね。八木さんは産まれたときから空手家として生きる命を背負っているわけですよね。空手家としてちょうど30歳を迎えた時期に映画主演という想像もしていなかったことが起こり、全く違う世界が見えてきたって感じですよね。

八木:空手の大会とかで優勝したときも嬉しかったんですけどやっぱり映画が決まったときはとても嬉しかったですね。空手やっていて良かった~(笑)みたいな。今思えば小さい頃から無理矢理空手をやらされていた感じもしていたんですが、まさか空手の映画に出られるとは思わなかったです。このことでとても刺激になったし、空手をしている自分を客観的に見れて、今ある自分が好きになりました。

澤田:それが八木さんの一番正直な気持ちだと思います!僕らも1013日楽しみにしています。今後も是非ともがんばってください。

          <ミュージックブレイク>

澤田:本格的な空手映画「黒帯」主演で空手家の八木明人さんのお話を聞いて頂きました。ここでもう一度紹介しましょう。1977年沖縄生まれで30歳、国際明武館剛柔流空手道連盟総本部 八木空手道場の館長をされています。3歳の頃から27年間空手一筋ということで真っ直ぐな道を歩んできた八木さんですが、やはり小さい時は何で僕がこんな嫌な思いをして朝から晩まで空手をやらないといけないのか疑問に思っていたということでした。小さい頃から毎日牛乳を1ℓ飲むのが日課とされたそうです。小さい頃には一日1ℓ飲むっていうのはなかなか大変ですよね。なので夕食の時にも残っている牛乳を飲んでいたそうです。八木さんの目標は、真っ直ぐ男らしく生きたいということですが、実は沖縄のほうで活動している人気ロックバンド『琉球フリースタイル』というバンドでボーカルなんかもしています。タイトル『琉球フリースタイル』のCDは全国のタワーレコードで販売されています。なかなかポップで沖縄の爽やかさみたいなものが伝わってきます。是非、みなさんも聞いてみてください。

   GEONOUS~地球の智叡~-八木1
今回の空手映画『黒帯』ですが、
2007年モントリオールの世界映画祭ワールドコンペティッション部門の正式招待作品に選ばれています。八木さんもモントリオールに行かれたそうです。日本では来る1013日(土曜日)に銀座シネパトス、そしてそこから全国順次のロードショーということになっています。

   八木さん以外の出演者ですが、夏木陽介さん、白竜さん、大和田信也さんなどそうそうたる俳優陣が出演されています。みなさんも是非この『黒帯』の映画を映画館でご覧下さい。一本、筋が通った映画です!

  手裏剣映画「黒帯」公式サイト http://kuro-obi.cinemacafe.net/