位置 青森県つがる市木造越水(40.8009,140.2505)

 

<ここで見られる地学素材>

◆波食棚(はしょくほう),海食崖(かいしょくがい),海食洞(かいしょどう)

〇何がすごいのですか?

◆波の浸食作用によってできた典型的な地形がコンパクトに見れるのがすごい.

〇海食崖とは何ですか?

◆波の浸食によってできる海岸の崖のことです.海水面付近の崖が波の浸食によってへこむと波食窪(はしょくくぼ)とかノッチという地形になります.ノッチが大きくなるとその上の崖部分が崩れて平坦で凹凸の少ない海食崖になります.

〇海食洞とは何ですか?

◆波の浸食によってできる海岸の洞窟のことです.

〇波食棚とは何ですか?

◆海食崖の基部に発達する平坦な地形のことです.ベンチとか海食棚ともよばれます.平坦面の上に堆積物が見られないことが多いようです.

〇波食棚と海食台のちがいは何ですか?

◆波食棚は潮の満ち引きのある潮間帯にでき,波食棚の外側には急な崖が見られます.海食台は波食棚よりも下部にできる地形で,外側に急な崖が見られません.この両者は混同されることが多いようです.(参考文献:平凡社「地学事典」)

 

写真1.中央の半円形のくぼみが海食洞.地層の弱い部分が波の力で浸食されてできたといわれている.ここで見られる崖が海食崖.

 

写真2.海食洞,もしかしたら人工物なのかもしれないが不明だ.

 

写真3.海食崖の下部の平坦な部分が波食棚.波食棚の海岸側は急な崖になっていて,表面には堆積物が見られない.海食崖の最下部の少しへこんでいるの頃がノッチ.できたての小さな小さなノッチ.

 

写真4.こんな高いところにも海食洞のような地形がみられる.このくぼみは不整合面のすぐ上にできている.高すぎて近寄れないので詳細は不明だが.浸食でできたものと思われる(人工物ではないようだ).どうしてこんな高いところに波の浸食作用がはたらくのか不思議だ.冬の日本海の荒波が届いているのだろうか?.

 

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