位置 青森県東津軽郡平内町東田沢(40.0098,140.8786)
<ここで見られる地学素材>
◆陸繋島,陸繋砂州(トンボロ)
〇何がすごいのですか?
◆夏泊半島の先端は「大島」というのですが,現在は半島とつながっていて歩いて渡ることができます.でも,大島という名前からわかるように,島だったと考えられています.このような地形がみられるのがすごい.
〇陸繋島,陸繋砂州,トンボロとは何ですか?
◆3つとも地形を表す用語です.陸地とそこから近い島の間に砂などが堆積してつながってしまうことがあります.このようにしてできた陸地とつながった島を陸繋島,島と陸地をつないだ部分を陸繋砂州またはトンボロといいます.トンボロはイタリア語が語源になっています.
〇島と陸はどのようにしてつながったのですか?
◆陸地に近い場所に島があると,陸地と島の間は沖からの波が回り込むので波の力が弱まって砂などが堆積しやすくなります.このようにして砂などの堆積が進むと,やがて陸地と島がつながることがあります.
〇日本の有名な陸繋島はどこですか.
◆陸繋島は日本中にたくさんありますが,青森県から近い場所では函館にあります.夜景で有名な函館山は,現在は陸地につながっていますが,昔は島だったと考えられています.ですから,函館山は陸繋島で函館駅の周辺が陸繋砂州になります.また,神奈川県の江の島は潮位の低いときには,陸地とつながって陸繋島になるそうです.1年に約60日間だけ陸繋島になるといわれています.
〇ちょっとした疑問が出てきました.
◆大島と夏泊半島の間は,砂が堆積してできた砂州という地形だといわれています.現在は橋がかけられていて砂州のようすを上から観察できます.橋の下には砂は少なくて硬い岩盤と丸い礫や小石が多くみられます.
昔は砂が堆積していたのですが,現在は砂が流されてなくなってしまったのでしょうか.だとすれば,波の方向などの変化があったのでしょうか.または,はじめから砂が堆積せず小石が多かったのでしょうか?.それでも陸繋砂州というのでしょうか?.よくわかりません.
昭和23年の国土地理院の空中写真では立派に砂州があるようです.砂なのか礫なのかはよくわかりません.
写真1.大島の空中写真(国土地理院,空中写真閲覧サービス)
写真2.右に見えるのが大島.左側の夏泊半島と砂州でつながっており,陸繋島という地形になっている.
写真3.現在は陸繋砂州の部分に立派な橋がかけられています.