<岩石名> スティルプノメレン片岩

<何がすごいの> 地下20~30kmの深さで編成してできた岩石

<位置>埼玉県長瀞町大字長瀞  36度5分12.17秒 139度7分5.21秒

<地図>

 

〇片岩はどうやってできたのですか

◆かつて秩父長瀞地域の片麻岩は始原層(現在では先カンブリア紀)と考えられており、世界的にも関心がもたれた地域でした。プレートテクトニクス理論がまだなかった時代だったので、秩父古生層は化石(紡錘虫化石)の証拠から古生代ペルム紀だと考えられていました。それよりも古いと思われた秩父地域の片岩は先カンブリア紀と考えられたようです。現在では、片岩類は中生代ジュラ紀に海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込み、白亜紀に深さ20~30km以上の深さで、高い圧力で変成してできたと考えられています。また、古生代の化石を含む石灰岩は、中生代ジュラ紀付加体の中の岩塊であると考えられています。そのため、現在では秩父古生層はあまり使われなくなりました。

〇どうして虎岩というのですか?

◆暗褐色と白の美しい縞模様が、虎の毛皮を彷彿とさせることから虎岩とよばれています。

〇スティルプノメレン片岩というのはなんですか?

◆虎岩は暗褐色と白色の部分がありますが、暗褐色の部分がスティルプノメレンという鉱物で、白い部分は主に石英という鉱物からなり、このためスティルプノメレン片岩と呼ばれます。スティルプノメレンという鉱物は、低温高圧型の変成作用を受けた泥質片岩や苦鉄質片岩にみられることが多い鉱物です。そのため、虎岩も低温の海洋プレートが海溝に沈み込みその後地下20~30kmの高い圧力の作用でできたと考えられます。

〇スティルプノメレン片岩のそばの緑色の石はなに?

◆苦鉄質片岩といいます。この岩石も地下の高圧で玄武岩質の凝灰岩が変質してできた岩石だと考えられています。