青森県津軽地方でも発生した大地震(明和津軽大地震)

 

今回は青森県津軽地方でも大きな被害をもたらした大地震についての話です.

 

〇大地震はいつ発生したのですか

◆1766英和年(明和3年)3月28日(板柳町史では1月28日となっている)酉の刻(午後6時)に発生しました.

〇被害はどのくらいあったのですか

◆死者は1500人,圧死者が734人という記録があるそうです.倒壊した建物は458軒,火災も発生したと記録にあるそうです.青森市や板柳町の被害が大きかったようです.また,積雪期であったために雪の重みで建物の倒壊被害が多く発生し,それに伴って圧死者の数も増えたものと考えられます.

〇地震の規模はどのくらいでしょうか

◆江戸時代には地震計がなかったので正確にはわかりませんが,推定マグニチュードは7.2~7.3といわれています.この地震以外にも1700年代にはマグニチュードが5~7程度の地震が複数回発生していたようです.佐藤(1990)は津軽平野の活断層の活動期にあたると考えました.

〇どの活断層が活動したのですか

◆津軽山地西縁断層帯の活動によるものと考えられています.この断層は活断層であると考えられていて,もし今後この断層が活動すれば,津軽地方に大きな被害を及ぼすと考えられています.

 

詳しい津軽断層西縁断層帯の図

都司嘉宣による明和津軽地震の被害分布図

 

参考文献

佐藤裕(1990) 青森県の歴史地震資料 弘前総合印刷

宇佐美龍夫(2003) 最新版日本地震被害総覧p104-106 東京大学出版会

細萱京子  歴史記録から見た明和津軽大地震の被害とその特徴

都司嘉宣(2017) 「温故地震」明和津軽地震 産経新聞