枕状溶岩のピローローブ

<位置> 千葉県鴨川市太海 N35.087371,E140.100805

<観察ポイント>嶺岡帯の玄武岩のピローローブ

 

 

 

 玄武岩質溶岩は流れやすいので、海底に噴出すると西洋の枕のように海底を流れます。噴出する溶岩はたくさんあるので、パイプ状の溶岩の流れがたくさんできます。これをまとめて枕状溶岩といい、パイプ状の溶岩の流れ11つはピローローブといます。私には西洋の枕というよりも蛇がうねりながら進んでいくように見えます。(子供の頃、夏に花火をやって遊んだときに、ヘビ花火というほとんど火花を出さずに煙だけ出しながら細くて黒いパイプ状のものが延びる花火がありましたが、その花火が枕状溶岩の噴出するようすに似ていると私は思っているのですが、この例えを使っている人は私だけのようです。)

 枕状溶岩は水中で玄武岩質溶岩が噴出したことを明確に示しています。もし同じ性質の玄武岩質溶岩が陸上で噴出しても枕状溶岩にはなりませんが、湖の底で噴出すると枕状溶岩になります。ピローローブの表面は、水で冷やされて固体になっていますが、内部は高温のままの液体です。ですから、くぼんだところにさしかかると下に垂れ下がります。このようすがわかるピローローブもここでは見られます。このことを利用すると、溶岩が流れたときにどちらが下だったのかの判定に役立ちます。ちなみに、この写真では右側が下、つまり溶岩が流れた当時の海底面の方向だと思われます。