最近、ビッグデータ、データサイエンティストという言葉をよく聞くようになりました。データ分析について少し詳しく知ろうと思い、書評等で評判がよかった「会社を変える分析の力」という本を読みました。
本書の筆者は事業会社(大阪ガス株式会社)に所属している実務家です。
「データ分析の価値」 =
「意思決定への寄与度」×「意思決定の重要性」
と定義し、「IT」、「分析手法」はデータ分析に必要な道具であるが、これらはあくまで道具であり、どんなに高価なシステム及び複雑な分析手法を用いてデータ分析を行ったとしても、データ分析に価値がなければそれは単なる分析者の自己満足すぎず、データ分析を行う者にとって重要なのは「ビジネスを変革していこうというマインド」であると述べています。
会計監査の中で、会計士も会社からさまざまなデータを入手し、異常値がないかどうか等の分析を行います。その際、経理の方が作成された資料の他、システムの標準機能によって出力されるデータを用いることがあります。これらのデータをExcel等を用いて加工することで分析を行います。
現在、企業では業務を遂行する上でなんらかのシステムを利用していると思います。また、多くの方は、業務でExcel等の表計算ソフトを使用されていると思います。Excel等を用いることで、どんな企業でも、追加的なシステム投資を行うことなく、データ分析を行うことができるのではないかと考えています。
本書では
・会社にとって価値のあるデータ分析とはどのようなものか
・データ分析の結果を会社にとって価値があるものにするためのハードル
・ハードルを乗り越えるために必要な能力
について、筆者の経験を踏まえて述べられており、特に専門知識がなくとも読める内容であるため、企業においてデータ分析に興味がある方に、是非一度読んでいただきたい一冊だと考えています。
written by su.
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