前回までの製品開発ストーリーでは、
予算の壁は崩したが、この製品開発を進める上での私自身の不安が出てきてしまい社内の稟議書を書く手が止まった話をしました。
それでは今回のストーリーを始めます。
新しいことをするときはどんなときも変化を嫌う自分が壁となって自分自身がその道の前に立ちはばかります。私の人生では今までの人生で何度もそういったことがありました。
高校進学、浪人、大学進学、休学、海外留学、就職、結婚、仕事。
どんなときも、変化を恐れて不安となります。そして一歩前に足を踏み出すことに躊躇する自分がいました。
弱い自分は間違いなくそこにいるし今も自分の中におります。
でも私はそれぞれのフェーズを乗り越えてきたからこそ今があります。
”自信を持て”いつも自分にそう声を掛けてきたつもりです。
今回のGENTZの開発では、
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俺は社内で浮いてしまうんでなかろうか...
そもそも今の仕事と両立出来るのであろうか...
売れなかったらどうしよう...
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という不安がありました。
話は少し脱線します。
私は大学時代に探検部に二年間ほど在籍しておりました。自転車で遠くに行きたくて探検部に入部した経緯があります。しかし、その部ではジャングル縦走やラフティング、洞窟探索、登山などで自転車には殆ど乗れませんでした。なので、2年在籍して退部しました。
しかし、その2年間の探検部での経験はその後の人生に大きな影響を残していると思います。
ジャングル縦走中に一度死にかけたことがあります。一歩間違えたら今ここにいないと思います。
西表島にあるマヤグスクの滝という滝を登っている時のことです。
それまでは天気が良かったのに突如、豪雨となり水位が上昇してきました。
そして、滑る岩肌を横移動している時に重心を一瞬失いました。明らかに自分の足先の荷重が後ろに逃げていきます。その時の恐怖や不安感は凄まじかったです。
このまま濁流にのまれ滝壺まで一気に落下する。そんなことを考えました。
しかし、不思議なものでそういうときは時間が止まりスローモーションになっていきます。
そのスローモーションの中で奇跡的に重心を元に戻す事が出来ました。
この時に恐怖感と、「凄まじい程の生」を感じました。極限状態にいると人は生きていると実感する事ができることがこの経験を通してわかりました。
それ以来私は自分を追い込むことで得られる快感を覚えてしまったのです。
社内での空気感もこの快感に置き換えることが出来るかも知れない。
そう頭の中を切り替えることとしました。
稟議書を書く手は長いこと止まっておりましたが、
これは「快感」を感じるチャンスなのではないかとポジティブに考え始める事が出来ました。
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俺は社内で浮いてしまうんでなかろうか...
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それは浮いたときに考えよう。とりあえずまだ浮いてない。浮いたら浮いたで闘えばいい。
そもそも今の仕事と両立出来るのであろうか...
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仕事に彩りがでるからOKでしょう。自分の人生に彩りをつけよう。
売れなかったらどうしよう...
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自分の欲しいものを作ることをまず目的として、売れるか売れないかは今は考えない。
仮に売れなかったら謝ればいい。てか、今までサービス残業たくさんしたから少しはいいかな。
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自分の性根が腐ってる感が醸し出ておりますが、とりあえずポジティブ思考になることは出来ました。
ポジティブになったら後は、流れるように仕事が進みました。物事なんて心の持ちようですね。
あんな不安を考えるのが損だった位に稟議書も楽々と通過しました。
上司もめちゃくちゃ協力的です。私は常についている。そう自己暗示しながらこれかも頑張って行きます。
つづく。
また見て下さいませ。