「今日は、帰れそうにないんです。」
今日の朝、ヤツは仕事で隣町に行っていた。
行く前は、ちゃんと見送りもした。
僕は仕事なんてないのに、わざわざ5時ちょっと前に起きて、
玄関のすぐ近くまで送ってやった。
その時、ヤツは言った。
「・・・こんな特別な日に仕事入ってしまって・・・すみません。
けど、ちゃんと夜までには帰りますよ。安心して下さい。
それから、少し出掛けましょうね。」
そう言ってヤツは綺麗に微笑んだ。
だから僕も小さく笑ってやった。
笑いたくもないのに ----。
なんで、今日に限って仕事なの。
馬鹿じゃないの、なんで断らなかったの。
君って本当嫌なヤツ。
ヤツが仕事に行ってから、少し経つと、
立場上、上司というコトになる男が、僕の部屋に来た。
「あ、あの・・・すみません ヒバリさん・・・。
今日が記念日だ、ってコト、・・・俺、忘れてて・・・」
彼は怯えたように言うと、軽く頭を下げた。
「・・・別に。」
そっけなく呟く。
「・・・、今からでも、骸のコト戻しましょうか・・・?」
「構わないって言ってるだろ、 君、しつこいよ。」
小さい彼を、上から思い切り睨みつけてやる。
「・・ひッ・・・・、す、すみません。」
またも彼は頭を下げると、足早に部屋を出て行ってしまった。
それからは、退屈な時間を過ごすだけ・・・。
夜を、静かに待てばいい。
僕は、逃げるようにベッドに横になると、ゆっくりと目を閉じた。
※ ※ ※ ※ ※
ベッドの上で、小さく振動するモノに気付き、はっと目を覚ます。
どうやら、随分と眠ってしまっていたらしい。
振動を尚も続ける自身の携帯を手に取る。
骸からの電話だった。
通話ボタンを押し、耳に携帯をあてた。
「もしもし、骸?」
寝起きで、声が少し掠れた。
「あぁ、雲雀くんですか?
あの、申し訳ないんですけど・・・-----。」
最後の方になるにつれ、声がだんだん小さくなっていった。
「何?聞こえないんだけど。」
「えっと・・・、実は、
・・・今日は、帰れそうにないんです。」
電話を切りそうになった。
だって、今日は僕たちの・・・・。
「・・・雲雀くん?
あの、どうしました?」
骸は恐る恐るといった感じに聞いてくる。
「・・・いや、別に。 何でもないよ。
そう 君、今日帰ってこないんだ。へぇ、そう・・・。」
それ以上は何も言わず、返事も聞かずに電話を一方的に切った。
ベッドに、俯けになって倒れ込む。
端の方に、携帯を放り投げる。
真っ白なシーツを、思い切り握った。
「僕をこんなに待たせたあげく、帰ってこない、だなんて
いい度胸だね、 いいよ、後でどうなっても知らないんだから・・・。」
そして、ゆっくりと、再度目を閉じた。
それから、少しして、睡魔が襲ってきた。
瞼を持ち上げるのが億劫で、再度眠ろうとしていた時、
三階である筈の自分の部屋の窓が、何故か定期的に音を立てた。
何かがぶつかるような音が、物静かな部屋に響く。
ベッドから下り、窓にそっと近付いた。
カーテンを開け、邪魔な窓も一緒に開ける。
そして下に居たのは
真っ赤な薔薇を 両手いっぱいに抱えた骸だった。
「・・・・え?」
一瞬見間違いかと思ったが、そんなコト、あるわけなくって。
「雲雀くん、『Ti amo』 ですよ。」
彼は、声を張り上げてそう言った。
「・・・え、ちょ・・、骸? なんで此処に・・・。」
すると、彼はまた綺麗に微笑んだ。
抱えた薔薇にも負けないくらいに、綺麗に。
「僕が、本当に帰ってこないとでも思ったんですか?
そんな訳ないでしょう? 今日は、僕と雲雀くんにとって、大切な日なんですから。」
じゃぁ、あの電話はガセだったワケだ・・・。
僕はいっきに肩の力が抜けた。
「何それ。」
自然に、笑みが零れた。
「驚かせてしまってすみませんね。
ねぇ、雲雀くん、早く行きましょう?
下りておいで。」
君の優しい声が、僕の耳に届く。
下に居る骸に、僕はにっこりと微笑んで、
窓も閉めずに 上着を持って玄関へと走り出した。
Fin
はい、完璧に名前出しましたね、御免なさい orz
・・・要は幸せ6918なお話です
やっと書けたんで、すっごい達成感がありますね /苦笑
似てないかもしれませんが、そこら辺は温かい目で見てあげて下さい ←
あ、誤字脱字は大目に見て下さいね
それと、二人にとって『特別な日』、っていうのは、
一応二人が付き合い始めた日、っていうコトになってますんで
ちなみに、タイトルの『早く明日になればいい』、は
もろ僕の事情です
明日も大宮行ってアニメイト行ってくるんで、早く明日になれ、的な意味ですね、はい
勿論、この小説のタイトルと思っていただいても構いませんが・・・
読んで下さった方、有り難う御座いました
是非、ご感想を聞かせて下さいね
お待ちしていますよ
それじゃぁ