スマートフォンが普及して、わたしたちの生活は大きく変わりました。
いつでも誰かとつながれる。情報はすぐに手に入る。便利になった半面、何かが少しずつ失われていった気がします。今回は、IT社会・スマホ依存と「触れること」の関係についてお話しします。





8割がスマホ依存を自覚している

まず、現状を見てみましょう。
スマートフォンを所有する15〜59歳の男女を対象にした調査では、「かなり依存している」「やや依存している」を合わせて80.5%の人がスマートフォンに依存していると回答しました。特に20代では86.6%と最も高く、10代も84.2%にのぼっています。
コロナ禍前後でスマホの使用時間が増えたと答えた人は全体の8割にのぼり、増加時間は平均で約82分。孤独感や暇な時間を埋めるためにスマホの使用時間が増加したと推測されています。
孤独だからスマホを見る。スマホを見るから、リアルな触れ合いがさらに減る——その悪循環が、静かに広がっています。

オンラインでつながっても、満たされない理由

SNSで「いいね」をもらえる。メッセージですぐに返事が来る。画面の向こうに人がいる——でも、なぜか満たされない。そういう感覚、ありませんか?
スマートフォン上のSNSなどによってオンラインで気軽に人とつながれるようになると、対面での交流機会が減少し、声や表情などを使ったリアルなコミュニケーション力の低下も見られるようになります。
オンラインのつながりは、「情報」や「言葉」を届けることはできます。でも、手のひらの温もりは届けられません。皮膚を通じた「安心・安全」の感覚は、画面の向こうからは伝わらないのです。
わたしたちのからだは、何千年もかけて「触れること」によって安心を感じるよう育ってきました。その根本的な欲求は、どれだけテクノロジーが進化しても、変わることがありません。

スマホが奪っているもの

一日の使用状況を見ると、「帰宅してからベッドに入る前まで」スマホを使う人が91.1%、「ベッドに入ってから寝るまで」使う人が76.3%にのぼります。
家に帰ってから寝るまでの時間——それは本来、家族や大切な人と過ごす時間、自分のからだに向き合う時間のはずです。でもその時間が、画面を見つめることに使われています。
子どもがそばにいるのに、親がスマホを見ている。パートナーと同じ部屋にいるのに、それぞれが画面に向かっている。物理的には近くにいるのに、「触れ合い」が生まれない——そういう場面が、日常の中に増えていないでしょうか。

デジタルの時代だからこそ、「触れること」が必要

テクノロジーを否定したいわけではありません。スマホも、SNSも、わたしたちの生活を豊かにしてくれています。
でも、デジタルで満たせないものがある。それが「触れること」から得られる安心感です。
タクティール®ケアが今の時代に必要だと感じるのは、まさにここです。情報があふれ、常につながっているようで、からだの根本的な欲求が満たされにくくなっている時代——だからこそ、「安心・安全」をからだで感じる時間が、より大切になってきています。
スマホを置いて、ただそこにいる。手のひらの温もりを感じる。そういう時間が、これからますます「贅沢」ではなく「必要なもの」として認識されていくのではないかと、わたしは思っています。


次回は、現代人の悩みでもある『ストレートネック・眼精疲労』—タクティール®ケアの役割についてお話しします。


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