【甘い手】   草野正宗

遠くから君を見ていた
いつもより明るい夜だった

ゆっくりと歩みを止めて
言葉も記号も忘れて

はじめから はじめから 何もない
だから今 甘い手で僕に触れて

遠くから君を見ていた
反射する光にまぎれた

愛されることを知らない
まっすぐな犬になりたい

くり返し くり返し 楽しみに
日をつなぐ 甘い手で僕に触れて



             ☆spitz☆







予告なしに

溢れでてきた涙



詩のせい

声のせい

音のせい 

旋律のせい



ぜんぶ合わさって

包み込む




切なくて  

優しい




涙が流れるのに

理由なんていらない