おいおい、とんでもない事を始めちゃったよ車田先生。

週プレWEBで連載している【男坂】の話だ。

何故か車田先生らしからぬ政治批判(笑。

うっかりすると、このまま政界に拳一つで乗り込んで国を変えるとか言い出しかねない。

好きな物にも駄目と言えるのが硬派ですよね車田御大!?

手放しで応援するわけじゃない初老、台所ぬめりだ。

私の中で、洗濯機の洗濯槽を掃除するのが大ブームだ。

あれは面白い。

初めて洗浄剤を入れて、あの輝く槽洗浄ボタンを押した日なんて忘れられないよ。

こんなに汚れてるんですか!?と、洗剤会社の回し者と思われかねない言葉が口をついて出てしまった。

それからだよ。

二週間にいっぺんのペースで洗浄するようになってしまった。

しかし、こまめに洗浄していたら、まったくカビなんて発生しないのだ。

抗菌効果のある製品だと、上塗り上塗りにでもなるのだろうか。

あの爽快な汚れ落としの爽快感は初回だけだった。

それでも諦めない私だよ。

今、入院患者用のコインランドリーを密かに洗浄している(笑。

【洗浄消毒中】と書いた張り紙ペタリ。

そして洗浄剤を投入。

五時間ほど放置してから結果を見に行くまでの至福の時間。

上から下まで全部やってやるつもりでいる。

ワンフロアに10台はあるので、この夏いっぱい楽しめそうだ。

諸君も普段は気にしない部分だと思うが、ちょっと遊び感覚で試してみると良いよ。

あの爽快感ったらないのだ。

やっぱり熱中症寸前になってしまった。

よせばいいのに、まだ若い気で動いてしまう。

電子ピアノあるじゃないかね、キーボードだよ、YMOだよ。

あれを私は自分で持って歩いてしまうのだ。

3~4kgあるのだが、軽いと感じてしまう。

グランドかアップライトの無いスタジオしか取れないと、それとパーカッション一式担いでスタジオに行くんだよ。

右手にキーボード、左手にカホン、背中にコンガ。

ゆうに6~7kgあるわけだよ。

行きは良かった。

スタジオ内部も涼しくて、ニコニコだった。

帰りだよ帰り。

ちょっとウェイトオーバー気味だから歩こうと、スタジオから自宅までの15分。

その山でも登るんですか?装備で帰ろうとした。

もう半分くらいで頭がボーっとして、軽く筋肉が痙攣してるんだもの。

こりゃサバイ!と思って、どこか退避出来る場所を探した。

おそば屋さんしか無い。

もう、煮炊きする所じゃないかね。

どうなんだろうか?と躊躇したが、そのまま入った。

息も絶え絶えな私に、御主人にこやかに注文を聞くんだ。

塩分と水分を欲した体だ。

おそばなんて、ドンピシャと言えばドンピシャなセレクト。

ウェイトオーバーな体に蕎麦なんて最適だよ。

「カツ丼ください」

だって仕方ないじゃないかね!

カツ丼がメニューにあったら頼むんだよ!

男ってそういう生き物なんだよ!

熱中症で軽く生命の危機を感じているじゃないか!?

そんな時に食べるならカツ丼なんだよ!

まあ、お味噌汁ついてたから問題なく症状は改善した。

世界で一番おいしい食べ物で元気も回復。

帰りの道則なんてスキップする勢いだよ。

やはりカツ丼だ。

男ならカツ丼食べてりゃ全て丸くおさまる。
クッソ高いスタジオ代金払ってたのだ。

一時間で3千円とかだよ。

そんなもん痛くも痒くもない年齢になっているが。

なっているのだがね。

すぐ近くに500円で使える所があったら、そりゃ乗り換えるよ。

歩いて十分の距離で、しかも家から近いんでやんの。

貸しスタジオは商売としてはギリギリ黒が出る程度だと思っていたが、そんなのとんでもない話だった。

大儲け出来る商売じゃないかね。

なんか悔しい。

誰かが濡れ手に粟で儲けていたと思うとなお悔しい。
メソメソしてたらどうするかね?

諸君ならメソメソしている若者を見つけたらどうするかと聞いているのだ?

うむ、その通りだ。

励ます。

それで正解だよ。

私もそうした。

本当にゆとり教育って実在するのだね。

ビックリだよ。

点滴失敗して、滅茶苦茶言われたとメソメソしている若造がいたのだ。

そんなもんは克服してしまえ、と。

ほうらこの腕で好きなだけ練習したまえ、と。

この腕を差し出したら練習を始めてだね。

何度も外すから私の腕、チャゲの相棒みたいになっちゃったよ。

この季節だから半袖じゃないかね。

コンビニで買い物する時、レジの若者がビクッとするのだ。

ほら、私の見た目はヴァイオレンス団だから。

確実に冷たいの食べてる奴みたいに思われる(笑)。

いくら練習したまえと言われても、ここまで酷けりゃ途中で止めるものだよ。

上手に出来るようになるまで練習していきおった。

マジゆとり怖い。
ちょっとだけ昔の仕事の後始末をしてきた。

まだ飼い犬じゃなかった頃に、最後まで面倒見れなかった子がいる。

あ、ハートフルな話だから、そういうの嫌いな諸君、今日はブラウザ閉じときたまえ。

ハートフルすきで自分の醜さが浮き彫りになると、それはそれで辛いはずだ。

ほぼ外出が出来ないレベルで重症だった。

だから自宅まで出向く形で進めていたんだよ。

飼い犬には出来ないフレキシブルな対応だ。

今は歯痒くて奥歯噛み砕くくらい不自由なのだが、数を多く手助け出来る。

どっこいどっこいってやつだ。

私の個人的な事情で打ち切ってしまったので、そのままになっていたのだ。

他県に住む子だったので、東京まで来るのは無理。

私が引き続き出向くのは、法律の壁があり無理。

仕方なく中途半端に育てた弟子に任せたのだが、そこにも通院しないままになっていた。

一応、宿題は沢山出しておいた。

教科書通りにやっていては何も変化が無いので、そこは自由なストレイドッグとして、強引な手法も使った。

ちゃんと一人で宿題をやっていたんだよ。

その成果を見せたいので、場所を指定して欲しいと連絡があった。

信じがたい部分もあったが、とても頭の良い子だった。

IQ130台だったはずだ。

それなら可能性として有り得るので、彼女の自宅から近い駅を指定。

それでいて、外出できるようになったとしても、往復出来るギリギリの距離だった。

当日、ご両親に内緒で連絡を取り、そんな形で会う許可を取り前日泊。

念のため、時間をずらして両親にも近くで待機して貰う算段だ。

そして当日。

その子は駅の雑踏に立っていた。

不安そうに体をゆらしながら、しっかり人ごみの中に立っていた。

私は、もう責任の無い立場じゃないかね。

そりゃ甘やかすよ。

笑顔で手を振って再会の挨拶。

どこに行こうかと、まるでデートでもしているかのような会話。

モンサンミッシェルにだって、一時間でプラン組んで連れて行ってあげようとする勢いの私だったのだがね。

家電量販店に行きたいと^^

なんて可愛い子だろうと、うっかり頭を撫でる所だった^^

それまでの生活もあるので、いきなり直行は難しいと考え、ちょっとしたイタリアンレストランに入った。

甘やかすと決めたら、完全にレディーエスコートだ。

リゾットとパスタでウンウン悩んでいたので、私がパスタを頼みシェアした。

そんな珍しくもない行為も、やはり新鮮だったらしく、友達が出来たらいつか同じことをすると言っていたよ。

食後に甘いお菓子などお茶請けに、どんな生活をしていたのか勢い良く話し出した。

ずっと耳を傾けていたが、聞く必要なんて無かった。

ここに君がいる事が全てを物語っているのだから、とは言えない。

しっかり聞いて、今度は頭を撫でてしまった。

ちょっと照れ臭さそうに笑っていたが、うっすら涙が浮かんでいたので、どれだけ努力と勇気が必要だったか実感させられた。

それから、一国の皇女に匹敵する貴重なレディーがご希望された家電量販店へ。

きっと行ってみたかったのだろうと思っていたが違った。

楽器売り場に直行すると、「練習したのっ」と電子ピアノの前に。

確か自宅にはアップライトが置かれていた。

しかし、それは子供の頃に使っていた物で、もう何年も使われていない物だったんだよ。

展示品の電子ピアノ前に座った彼女は、それからピアノを弾き始めた。

周囲の迷惑にならないよう、ボリュームを絞り、私だけに聴こえるように。

とても緊張したのだろう。

目立つ行為だからだ。

後ろに立っているから良く判った。

指が震えている。

それでも一生懸命に弾いていた。

不安になるのだろう。

何度も後ろを振り返る。

そのたび、大丈夫ここにいると笑いかける。

嬉しそうに、そして上手とは言えないピアノを恥ずかしがるように、またピアノの演奏に戻る。
そんな繰り返しが一時間続いた。

私にとって生涯最高のピアノ演奏会になった。

あの場所で弾かれた彼女のピアノだからだ。

それだけの賞賛を贈れる物なのだ。

演奏が終わり、拍手の代わりにまた頭を撫でた。

今度は涙が零れた。