【ミッション・サンダーストーム】
この日を待っていた。
一年に一度あるか無いかのビッグチャンス。
天運に恵まれた者にだけ訪れる最大の好機。
逃す手はない。
今日の風は、かつてない手応えを感じさせる。
窓の外は暴風雨。
記録的な低気圧が、穏やかな街を荒れ狂うマッドシティーに変えた。
俺は一人のハンター。
獲物を狩る為、牙を磨ぎ続けてきた狩人。
いや、俺こそが一匹の獣なのかも知れない。
さあ、勇ましく踵を鳴らせ。
奴等の喉元に喰らいつくのだ。
てな具合に格好良く玄関を開けたんだよ諸君。
もちろん春一番が吹いたとニュースで見るたびに、あ~あ、最高のパンチラチャンスだったのにな~と毎年後悔しているから。
あれだけの暴風雨じゃないか。
ほぼ、100%でパンチラに遭遇出来ると踏んだんだよ。
玄関開けたんだ。
そこで突風だよ。
玄関。
私に向かって戻ってきてだね。
私に直撃だよ。
突風→玄関→私。
ただの風に、玄関を一枚挟んでの一撃。
これが、すこぶる痛い。
その痛みが、雪でテンション上がって変な鳴き声になっちゃった犬のようだった私を、素に戻しちゃってだね。
39にもなって何してるんだ私は、と。
パンチラの為に命を落とす所だったぞ、と。
非常に恥ずかしい気持ちでいっぱいだ。
いや、パンチラには、命をかけるだけの何かはあるけれども。