ショーン・コネリーと言えば、ジェームズ・ボンド役のイメージが強いが、「インディー・ジョーンズ/最後の聖戦」など、軽妙な感じを演じた役が、自分としては印象に残っている。

 

215回目は

「小説家を見つけたら」

 

 小説家の老人と黒人少年の、文章を書く事を通しての友情を描いた作品。

「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」等のガス・ヴァン・サント監督。2000年公開。

 

 NY、ブロンクス、母親と二人で暮らしている16歳の黒人、ジャマール・ウォレス(ロブ・ブラウン)は、放課後友人達とバスケットボールバスケ をする日々だった。

ジャマール

 

 実はジャマールは成績が良く、文学が好きで文章を書いていたが、内緒にしていた。

 

 バスケットコートのそばに古いアパートがあり、その一つの窓からいつも老人が双眼鏡で彼らの事を見ていた。

仲間に、その老人の部屋に忍び込んで何か盗んでこいとそそのかされたジャマールは、窓から入り込み、ペーパーナイフをリュックに入れて出ようとしたが、老人(ショーン・コネリー)に見つかり、慌てたジャマールはリュックを忘れて逃げ出すあせる

 

 翌日老人は、ジャマールを確認し、窓からリュックを落とす。メモ帳にいつもジャマールが書いていた文章には、赤字で添削がされていた本 的を得ていた。

 

 今度はきちんとドアをノックして老人の部屋を訪れ、もっと文章を見て欲しいと頼むが、老人はのぞき窓から見るだけ。そして、「二度と来ないという文章を5千字で書いてこい」と言う。

翌日、書いた物を持って行くが、老人はドアを開けてくれず、ドアの前に置いていくジャマール。

 

 ジャマールは学力テストの結果、マンハッタンの進学校、メイラー高校からスカウトされる。バスケットでの学費免除の特待生として迎えてくれるという。

 

 再び老人の部屋を訪ねるジャマール。文章を読んだ老人はジャマールを入れてくれる。そして日々通うようになる。

 

 ジャマールはメイラー高校へ転校する。そしてふとした事から、老人が有名なウィリアム・フォレスターという作家である事を知る。

ウィリアム

 

 老人の正体を知ったジャマールはウィリアムに、文章の書き方を教えて欲しいと頼む。

ウィリアムは了承し、二人の関係は公にしない事、ここで書いた物は外へ持ち出さない事を言い聞かせ、ジャマールの文章を見る事になる。

 

 ジャマールの文章はどんどん良くなる。そして、バスケット部でもレギュラーとして活躍する様になる。

 

 親しくなっていくウィリアムとジャマール。滅多に外出しないウィリアムをジャマールは連れ出し、ひと時を過ごす。「こんな楽しい夜は久しぶりだった」と感謝するウィリアム。

 

 しかし、ジャマールがウィリアムの部屋で書いた作文を学校へ提出したところ、盗作の疑いをかけられてしまう。タイトルと初めの部分をウィリアムに言われ使ったが、他はジャマールのオリジナルだった。持ち出すなと言われたのは、過去にウィリアムが雑誌に書いた物だったからだ・・・。

ジャマールは立場が悪くなり、退学に追い込まれるもやもや

それを救ったのは、ウィリアムだった・・・。

 

 

 年齢差や人種を超えた友情物語は、心地良い。二人が信頼し合い近づいて行く。

ジャマールは才能を開花して未来が開ける。

引きこもっていたウィリアムが外へ出るきっかけを作り、この後スコットランドへ旅立たせたのは、ジャマールの力。

 

 才能ある少年が黒人である事から、差別的な見方をする大人達がいる。

ジャマールを潰さず、導いてくれたウィリアム。ショーン・コネリーの気難しそうだがどこか軽やかな雰囲気は観ていて安心感があり、彼ならである。

 

 ラスト近く、あれ、?、マット・デイモンがちょこっと登場目

 

 ジャマールからウィリアムへの、そしてウィリアムからジャマールへの手紙には涙汗

ハートウォーミングな物語である。

 

星星星星です。

 

 じゃ、またバイバイ