父娘共演の、50年前の映画から。

 

213回目は

「ペーパー・ムーン」

 

 詐欺師の男と、母を亡くした少女の、詐欺をはたらきながらのロードムービー。

「ニューヨークの恋人たち」のピーター・ボグダノヴィッチ監督。

1973年公開。モノクロ映画。ほぼネタバレです。

 

 アメリカの田舎町で、自動車事故で亡くなった母親の葬儀が営まれていた。

出席していたのは9歳の娘アディ(テータム・オニール)と近所の女性2人のみ。父親はいない。

そこへ、その母親の元恋人だったというモーゼ(ライアン・オニール)がやって来る。

 

 アディはミズーリ州の叔母さんの所へ行く事になる。アディを送り届けるよう、近所の女性達に押し付けられるモーゼ。

アディ                  モーゼ

 

 モーゼは新聞の死亡記事から、亡くなった夫からの贈り物だと偽って、未亡人に聖書を売りつけている詐欺師だった。

 

 モーゼはアディの母親に事故を起こした運転手の兄を脅し、慰謝料200ドル札束 をものにする。そのお金で車を買い替え、アディの切符を買い、叔母さんに電報を打つ。

アディはモーゼに「パパなの?」と聞く。パパの写真は無い。否定するモーゼ。

それならさっきせしめた200ドルは自分の物だ、返せというアディ。

使ってしまったモーゼは、その200ドルのためにアディを連れて詐欺の旅に車

 

 アディはモーゼが聖書を売りつける方法をすぐに理解してしまう。頭の良い子供だった。保安官が出て来てモーゼが焦っていると助けたり、金持ちには高値を吹っ掛けたり、子だくさんの大変そうな家からは立ち去ったり。

 

 こうして旅を続け、店では会話をしながらお札の両替をし札束 お釣りを誤魔化す方法も覚え、お金は増えていく。

 

 カーニバルに寄り、アディはペーパームーンに座って写真を撮ったオーナメント

本当はモーゼと撮りたかったが、モーゼはストリップに夢中だったもやもや

そのダンサーの女性をモーゼは車に乗せた挙句、一連の騒動があったり、酒の密売のやり取りに手を出して保安官に連行されたりと危なっかしいモーゼ。

 

 アディは女性とモーゼを離れさせるため、機転を効かせる。

保安官からは逃亡を図り、ミズーリ州に入ったため逮捕される事はなかったが、結局痛めつけられたモーゼグー

 

 そして途中交換して失敗したポンコツのトラックで、アディを叔母さんの家へ送り届ける。

「本当にパパじゃないの?」、「パパじゃない」 立ち去るモーゼ。

助手席にはペーパームーンの写真が残してあった。

 

 すると、ミラーには、荷物を持って走ってくるアディの姿が見えるのだった・・・。

 

 

 初めて観た時から印象に残る作品だった。

9歳の少女がタバコ🚬を吹かすのにはびっくりだが、テータム・オニールが芸達者で、これでアカデミー賞の助演女優賞を受賞したという。

 

 こまっしゃくれているかと思えば、子供らしく振る舞ったり。モーゼを助けたり混乱させたり、変幻自在。少し寂しげな表情も心を打つ。

二人が少しずつ近づき、離れがたくなっていく様子が重なっていく。

詐欺やアディが大人を困らすネタも笑ってしまうが、テンポは良く、悪事をはたらいているのだけれども、頑張れと思ってしまう。

 

 パパなのかなぁ?それはわからないまま。

二人の珍道中は続くようなラストは、微笑ましかった。

 

星星星星です。

 

 じゃ、またバイバイ