「農協の本来の役割はモノの売り買いであり、信用事業の収益ばかりに頼るべきではなかった」。農林中央金庫が2025年3月期に最終赤字に転落する見通しとなり、東北地方の元JA組合長はこう振り返った。農林水産省によると全国553のJAの農業関連の「経済事業」の合計税引き前損益は1400億円の赤字(2022年度)だった。2400億円を稼ぐ預金・融資などの「信用事業」が全体を支える構図だ。【日本経済新聞】

 ※ 例えば、農協がホクレン商事から商品を仕入れると、手数料の分だけ価格が高くなります。それを農協で売ると更に手数料が上乗せされます。だから、農家が農協から商品を購入する際、民間の会社で買うより少し高めに買うことになるのです。

 ※ 商品の内容がほぼ同じ場合、何故わざわざ高いものを買わなくてはいけないのでしょう?。皆で固まって買うのですから民間の会社より安くなるはずなのに、制度疲労なのか逆の現象が起きています。そして、それは田舎では護送船団方式みたいになって、民間の方も農協の価格に合わせようとしてきます。

 ※ 手数料型農協だから経済事業が儲からなくなってきているのです。組合員は既に民間との取引を自分の経営の中に取り入れているんですから、協同組合も資本主義の側面を取り入れるべきです。競争の原理が働くとそこに工夫が産まれ、高くても敢えて買うという現象(内容で選ぶ)も産まれます。