「こんな程度で満足か?」 | 本と仕事とDVDに学ぶ原理原則日記

「こんな程度で満足か?」

今の書き込みで触れた「スカーフェイス」は、つい何度も観てしまう映画だ。もう、かれこれ7,8回は観ているが、やはりアル・パチーノの最高傑作だと思っている。あのギラギラ感が、いい。

簡単にストーリーを説明すると、主人公は、トニーというキューバから「ボートピープル」として亡命してきたチンピラが、持ち前のガッツと度胸で裏社会をのし上がり、破滅を迎える様子を描いたギャング映画だ。

キューバの元要人の暗殺を請け負ったことで組織に当たりをつけた彼は、次に500ドルで麻薬の運び人の仕事をオファーされる。キューバからの弟分は「割りのいい仕事だ」といって引き受けようとするが、彼は「そんな使いパシリのような仕事ができるか」とキレることにより、5000ドルの、コロンビア人との麻薬取引という危険だが大きな仕事をつかむ。

弟分を失いながらも無事麻薬と、お金を手にした彼は大ボスに気に入られる。そこでも挑戦的な言動を繰り返すトニーをいさめる弟分。だが、彼はいうの
だ「こんな程度で満足か?」

こうした飽くなき上昇志向により、彼は(最後は破滅を迎えるが)トップまで上りつめていく。彼が普通の人間だったら、最初の500ドルの仕事に甘んじ、
便利な使い捨てのチンピラに終わっていたに違いない。

「こんな程度で満足か?世界をつかむんだ」彼はこう自分に、まわりに言い続けることで(つかのまだが)成功をつかんだのだ。

正直「こんな程度で満足か?」というセリフは、自分に言われているようで、
ドキッとした。人間は、イメージした通り以上のことしか実現できない。よく言われることだが、実は難しいことでもある。有言実行し続けることは、しんどいし、まわりとのあつれきをも生み出しかねない。

でも、やはり意思を持ったとおりにしか現実は起こらないものではないだろうか。この映画を観ると、いつもそんな意味で否が応でも視線を高めさせられる
のだ。「cockroch!」(このゴギブリ野郎が!)マシンガンのように吐き出されるトニーの悪態とともに。

タイトル: スカーフェイス コレクターズ・エディション