僕は病院に向かった。

病院は家から10分ぐらいのところ。

重い体にムチを打ち、なんとか到着。

待ち合い室でしばし待つ。

そこで、中学のときに土肥先生が言っていたことを思い出した。

「人生でも人間関係でも、全て機先を制したものが勝ちだよ」

そう、先に主導権を取れということ。

これは本当に大事なことだと思う。なんとか先に主導権を握らなければ…



そして名前を呼ばれ、診察室へ。


僕は入ってすぐさま先生に言った

「悪性のウイルスにかかっているので、悪性のウイルスの薬をたくさん下さい」

よし、言えた。
あとは薬をもらって帰るだけだ。

ところが、

「ん?どういうこと?」

と、ちょっと困惑気味の先生。

言葉足らずだった、ちゃんと説明しよう。

僕「あの~、お腹が痛くて寒気と頭痛がひどいんですよ。あと体もダルイんで、悪性のウイルスだと思うんですけど」

先生「ん?悪性のウイルスって、自分でそうなんじゃないかっていう予想?なんだ~アハハ」

なんかちょっとウケた。

僕と先生の間に温度差を感じる。

先「じゃあちょっと服を上げてくださいね~」

そして聴診器を胸に当て、喉の奥を見た。

僕「どうでしょう?」

先「う~ん、風邪かな~」

僕「いや風邪のレベルじゃないと思うんですよ!」

先「熱は?」

僕「熱は無いです」

先「咳は?」

僕「咳も出ないです」

先「う~ん、じゃあなんだろ…」

しばし考えてる様子。

先「よし、じゃあお薬三日分出しときますんで。それでもよくならなかった場合はまた来てください」

僕「え?もう終わりですか?」

先「大丈夫ですよ。次の方~!」


予想外にあっさりと終わった。


でもまあ薬も貰えたし、いいか…


こうして、4年ぶりの診察が終わった。


そして僕は家に帰り、薬を確認した。

すると、



つづく