食事場所は1階にある旬香団人倶（しゅんこうだいにんぐ）の個室。
写真は食後に撮影。
過去の宿泊では毎回猫越川側の個室でしたが今回初めて反対側の個室になりました。
景色はありませんが椅子のデザインが違っていて私は今回の個室の方が好み。
給仕は1人の方が夕食～朝食まで担当して下さいます。
今回2泊でしたが2泊目の食事も1泊目と同じ方がずっと担当して下さいました。
献立
一つ大きな変化がありました。
献立の言葉の言い回しがいつもと違います。
例えば先付→箸付、膳菜→前物など。
筆跡もいつもと違います。
4月頃に料理長の交代があったらしいです。
らしいと曖昧な表現なのは自分で確認した訳ではなく人づての情報だから。
でも料理長の交代はほぼ間違いないです。
料理長の交代で料理が良くも悪くもガラリと変わる宿も少なくないです。
果たしてあせび野さんはどうでしょうか？
期待と不安の入り混じった夕食の始まりです。
新料理長の献立表も達筆すぎで解読できない字もあるので
一部料理名がテキトーなものもあります。
箸付 新蓴菜 新茶豆腐 蒸鰒 山葵 穂紫蘇 セルフィーユ
いろいろな食材の味、食感が複雑に絡み合うけどしっかりまとまりのある一品。
前物
お皿がカッコイイ。
前物アップ
蛤変わり田楽、合鴨ロース筍巻き、蛸 白茎 枝豆 絡み梅、魚子旨煮
大葉百合根、スモークサーモン手毬鮨、うすい押玉子、新小芋素揚げ
一つ一つ丁寧な仕事が窺える料理。
吸物 愛魚女葛叩き 揚豆富 小めろん 椎茸 芽葱 叩き梅
葛がコーティングされたあいなめはしっとりふわふわ。
清んだお出汁は従来通り変わらぬ美味しさでした。
あせび野さんの椀物は毎回感動の味。
造里 金目鯛 あおり烏賊 鮪 縞鯵 季節の朝獲れの品 天城葉付山葵
おろしたての生わさびでいただく鮮度のいいお造りは最高。
ただ今回の鮪だけはちょっとビミョーでした。
安物の鮪って感じで鮪本来の旨みが感じられませんでした。
これなら鮪出さない方が良かったと思います。
他のお造りは特に金目鯛なんか適度に脂ものっててうま～でした。
焼物 大海老雲丹焼 甘鯛木乃芽焼 谷中生姜 蚕豆 新牛蒡土佐煮
私雲丹が苦手ですがこれは焼いてあるからか苦手なくさみがなくて大丈夫でした。
ぷりぷりの海老に雲丹濃厚な味と香ばしさが加わって美味。
中皿
和牛パイ包み焼 和牛角切ステーキ 新玉葱こんがりソース ホワイトアスパラ
万願寺唐辛子 黄ズッキーニ 燈パブリカ アメーラトマト 赤玉葱 スプラウト
ホワイトセルリ イタリアンパセリ 人参オリーブジュレ
お肉のジューシーさとパイが見事に合って和牛パイ包み焼が特に美味しかったです。
フレンチみたいで見た目は綺麗ですがいろいろ盛り込みすぎで逆にインパクトが薄い気もします。
揚物 若鮎蓼揚げ 烏賊と長蕨の奉書揚げ 新丸十 おくら 紫蘇塩
お皿を川に見立てて鮎が泳いでいる様子を表現した目にも楽しい一品。
鮎はほくほくで骨まで柔らかく丸ごといただけます。
紫蘇塩が爽やかな口当たりでいいアクセントになってます。
以前他の宿でいただいたオクラの天ぷらがすごく美味しかったので楽しみに
してましたがオクラは中の種は取ってあり外側の皮だけでした。
皮だけじゃそんなに美味しくないです。
オクラは絶対丸ごと揚げた方が美味しいのに～。
煮物 汲上湯葉 亀甲餡掛け 鰻桑煮 丸茄子含煮 揚げ蕎麦 三度豆 山葵
やや濃い目の餡が湯葉や丸茄子に良く合います。
カリカリの揚げ蕎麦やふわふわの鰻など食感の違いも楽しい。
食事 貝柱ごはん
貝柱からいい出汁が出ている優しい味のご飯。
香の物
香の物が苦手で毎回残すので勿体無いから予約のときに1名分香の物は要りませんと
伝えたのですが変わりに昆布の佃煮を用意して下さいました。
心遣いは嬉しいのですが板場に余計な手間をとらせてしまって申し訳ないです。
留椀 味噌汁 若布 茗荷
赤出汁に茗荷って相性いいですね。
濃い赤出汁に爽やかさがプラスされてグッド。
ほうじ茶
水物 小玉西瓜 枇杷 かぼちゃムース 山桃
デザートは新料理長が代わって確実に進化してます。
今まではデザートが弱いと思ってましたが、今回のデザートは全部美味しかったです。
緑茶
新料理長になっても今までのあせび野さんの基本スタイルを踏襲していて劇的な
変化は無く安心して食べられました。
どれも美味しくイマイチと思う料理はありませんでした。
ただ強く印象に残るような料理が無かったのがちょっと残念。
料理重視の方はちょっと物足りないかもしれません。
私も旦那も前料理長の味は超えられないのかなぁと思いました。
今回の夕食も決して悪くないのですがどうしても比較してしまうんですよね。
2泊なので翌日の夕食に期待しましょう。
続く