赤沢迎賓館 再訪 2012.10 ⑥夕食 | くまの温泉旅日記

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赤沢迎賓館さんの夕食をご紹介します。

夕食は本館の食事処でいただきます。

写真は夕食後に撮影したものです。
1階と2階に個室があり、夕食は1階の掘りごたつの席に案内されました。

個室になっていますが入り口にドアはないので完全個室ではありません。

お品書き

料理長が変わったそうです。


日本酒

旦那の注文。
銘柄失念。
ガラスの器が素敵です。


「萩の露」と題された懐石料理です。


旬菜
名残鱧 鱧の子 けんちん寄せ
椎茸 人参 蓮草 フカヒレ餡 花穂 生姜

けんちんと言うと私はけんちん汁を連想しますがけんちん汁は全く関係なく、精進料理の豆腐を使った料理を意味するそうです。
ふわふわの鱧にお豆腐、餡どれも調和のとれた味です。


酒肴八寸


ずわい蟹 蕪アチャラ包み
マスカット糀漬け こぼれいくら

アチャラとは漬物のことです。
つまりずわい蟹を蕪のお漬物で包んだものです。
マスカットの糀漬けってちょっと冒険しすぎじゃ…と思ったのですが蕪アチャラの酸味とマスカットの爽やかさが意外と合うんです。

私は漬物が苦手で普段は口にしませんが蕪アチャラとマスカット糀漬けは抵抗なくいただくことができました。
いくらのプチプチ食感も加わって楽しい、美味しい一品でした。


新秋刀魚 菊花菊菜錦巻き
黒胡麻 利久あん

菊の花と菊菜を秋刀魚ではさみ、海苔と卵を巻いたものに利久あん(下に敷いてります)を絡めていただきます。
利久は胡麻のことを指します。

上には黒胡麻がトッピングされていて、下の利久あんは白胡麻が使われています。

生秋刀魚をただのお刺身でなくこんなに手間を掛けた調理法でいただくのは初めてです。

生雲丹 秋茄子 カリフラワー
焼葱 柿酢ジュレ 山葵

赤沢迎賓館さんは質のいい食材しか使わないのが分かっているので雲丹が苦手で普段は全く食べない私も旦那も安心していただくことができます。
ミョウバンが添加された雲丹の味が苦手なのです。
この雲丹は無添加の生雲丹で臭みもなく美味しい。

中のお野菜たちと柿酢のすっきりとしたジュレの相性も良いです。


椀物
静岡地養鶏 白滝月環 薬膳スープ仕立て
伏見唐辛子 紅葉卸し 酢立ち

鶏肉に白滝が巻きつけてあるのだけど噛んでも白滝が全然崩れない。
一体どうやって巻きつけているのか不思議でした。
きっと繊細な手仕事をされているのでしょう。
スープは薬膳とあって体によさそうな感じでした。


造り
炙り本鮪 伊勢海老 縞鯵
あしらい一式 正油 ポン酢

炙り本鮪の下にはガーリックチップが添えられていてあしらいもありきたりなものでないのが良かったです。
もちろん鮮度もバッチリ。


楽焼
子持ち鮎柚餡焼き 焼き松茸
いちょう丸十 酢立ち 新銀杏松葉刺し

鮎は卵がぱんぱんで身よりも多い立派なものでした。
紅葉の葉で隠れていますがいちょうを模った丸十も添えられています。
丸十はさつまいものことです。
薩摩藩島津氏の家紋が丸に十字であることからそう呼ばれているそうです。
松茸に銀杏と見た目も味も秋満載の一品でした。


口替り
フルーツトマト
帆立貝焼き霜の紅葉ソルべ

スライスしたフルーツトマトに焼き目を付けた半生の帆立、フルーツトマトのソルべの組み合わせです。
フルーツトマトは糖度が高く甘くて濃い味。
そしてフルーツトマトのソルべが超絶品でした。

フルーツトマトの旨味だけをソルべにしたような味でトマト好きには堪りません。
旦那が「だいこんの花さんの野菜のアイスもこれくらいのクオリティだったらねぇ…」と毒を吐いてました。
デザートで出されても満足できる一品です。

ぶっちゃけ帆立いらないから器いっぱいにソルべだけ盛ってほしかったくらい。
本当にそれほど美味しかったんです。
今まで食べた野菜を使ったスイーツで一番美味しいと思いました。
(これはスイーツではなく口替りですが)


煮物
地甘鯛萩蒸し 銀餡
栗 小豆 枝豆 道明寺 山葵

萩蒸しは萩の花に見立てた蒸し物です。
甘鯛の入った下の部分と道明寺粉を使った上の部分と2層になっています。

2層の蒸し物のふんわり感に栗や豆、甘鯛のいろいろな食感が面白い。
上品な餡に山葵がキリリと味を引き締めてくれます。
う~ん、美味しすぎて幸せ。


御飯


松茸御飯

薄味で松茸の香りがする美味しい御飯でした。

お替りもできます。
写真を撮り忘れてしまいましたがお夜食用に松茸御飯でおにぎりを作ってくれます。
数はお好きなだけ何個でもOKだそうです。
私たちは2個お願いしました。
夜中にいただきましたが冷めても美味しかったです。


赤出汁

私の大好きな生麩入りでお出汁も利いててうま~。


塩昆布

通常は香の物なのですが苦手なので予約のときに香の物を辞退したら替わりに塩昆布を用意して下さいました。
そうそう、お品書きは1人1枚用意されていて私のお品書きは塩昆布だけど、旦那のお品書きは香の物でちゃんと個人の苦手食材に対応したお品書きになってました。
お品書きまで個人の苦手食材に合わせたものを用意してくれるのってなかなかないように思います。


水菓子
メロン グレープフルーツ蜂蜜漬け

デザートは普通な感じですがメロンは程よく熟しており吟味されていると思います。
ここでトマトのソルべが出たら超感動だったかも。


バーカウンター

ラウンジの一角にあり食後酒を楽しむことができます。


ハーブティー

お部屋に戻るとターンダウンされていてハーブティーがありました。
ノンカフェインのマテ茶です。
夜中にお夜食のおにぎりと一緒にいただきました。


料理長が変わられたとのことで料理にどんな変化があるのか楽しみでもありちょっぴり不安でもありました。
個人的には前回の食事と遜色の無い内容だったと思います。

私はグルメではないのであまり参考にはならないですが。
食材は吟味されていて手間隙かけで作られているのがよく分かる料理でした。
味付けも京風の上品な味で美味しかったです。
器や盛り付けも美しく目でも楽しめました。

接客はお部屋係の方が夕食も担当して下さいました。

何組かのゲストと掛け持ちだったと思うのですが、忙しさを感じさせない丁寧な接客でした。

配膳は遅すぎず早すぎず絶妙のタイミングで出してくれて旦那が
「ゲスト毎に食事の開始時間が違うのに配膳のタイミングが完璧ですごい!」

と言ってました。
赤沢迎賓館さんの夕食は王道の懐石料理です。
これでもかってくらいに食べさせる大衆的な旅館料理とは違います。

夕食の量に関して物足りないと不満を書かれている方もいらっしゃいました。
とにかくたくさん食べたいという方には確かにやや物足りないかもしれません。

そういう方は霜降り肉のステーキなど食べ切れないくらいの料理が出る宿にお泊りになった方が満足できると思います。
私も旦那も結構食べる方ですが、前回も今回も夕食の量に関して特に不満はありません。
他の宿の夕食と比べると確かに少しボリュームがないとは思うのですが、一品一品完成度が高くじっくり味わっていただくので私は適量だと思いました。
それにお夜食のおにぎりも持たせてくれますし。

上手く説明できませんがここの料理はたらふく食べる料理って感じじゃないんですよね。

たくさん食べたいという方には不向きですが、京風の懐石料理が好みの方にはオススメです。


続く