露天風呂からの絶景で知られ、「天空の温泉」とも呼ばれる長野県木島平村の村営「馬曲(まぐせ)温泉」。

人気の温泉ですが、4月から休業となり、営業再開の見通しが立っていません。

「天空の温泉」として知られる木島平村の馬曲温泉「望郷(ぼうきょう)の湯」。

眺望が自慢の露天風呂からはいま、見ごろを迎えた桜と、高社山(こうしゃさん)など春の山々を望むことができます。

露天風呂には、お湯がたっぷり。

源泉に問題はなさそうですが、温泉は4月1日から休業しています。

(木島平村産業課・湯本寿男(ゆもと・ひさお)課長)「源泉を少しずつくみ上げながら、お湯を張っているという状況で、いつ再開してもいいように準備はしている」

最盛期には年間20万人以上いた利用客は、コロナ禍の2021年、5万人余りにまで減少しました。

コロナ禍での利用客の減少や、設備の維持管理の費用がかさむことなどから、村は所有する観光施設を民間に譲渡する方針を決定。

スキー場とホテルはこの春、民営化されました。

(木島平村産業課・湯本課長)「今まで施設は第三セクターが運営していたが、譲渡して馬曲温泉を運営する業者がいない状況」

馬曲温泉にも1社から応募がありましたが、村の委員会の審査に通らず、運営する業者がいないまま新年度に。

4月1日から、やむなく休業となりました。

(木島平村産業課・湯本課長)「これからいい季節になるので、早くまた行ってみたいという声はいただいている」「非常に景色の良い露天風呂なので何とか維持してどなたかに運営していただきたいと考えている」

村によりますと、2023年度に入り、複数の業者から問い合わせがあるということです。

一方、施設は1988年の営業開始から30年以上がたち、ところどころ老朽化も目立ちます。

営業に差し支えはないものの源泉の量も減る傾向が見られ、村では温泉の存続のため、施設の修繕や源泉の調査を行うことを検討しています。

(木島平村産業課・湯本寿男課長)「設備の調査だとか、今後どうしていくかというのを具体的に村としても決めていかなければいけないので、できるだけ早く再開できるようにしていきたいと考えている」

桜から新緑の季節へ。

お湯につかりながら北信濃の四季折々を楽しめる名湯は、いまのところ再開のめどは立っていません。